三原で作られている次世代新交通システム 野川アナ注目の「プリズモ」 海外で走る姿を見る日も近い?

6/4(水) 21:00

鉄道の魅力を熱くお伝えする野川キャスターの「てつたま」です。

前回は広島市の新交通システム、アストラムラインの話題をお伝えしましたが、今回も新交通システムです。
しかもこれから先、未来のお話が、突然、私に舞い込んできました。
それでは…出発進行!未来へ…

【野川アナ・ディレクター】
「野川さん?」
「おー、お疲れ様です。すみません、ごめんなさい。どうされました?」
「ちょっと取材のお誘いが…」
「取材のお誘い。次世代新交通システム新ブランド…もうちょっと行くしかないですね。
えーっと5月19日…きょうは?29…終わってるじゃないですか!」
「野球の実況があると聞いたので」
「あー、そっか、20日ね。この翌日が私、野球の実況をしていましたけれども、そうか!さすがに前日は難しいか。えー、でも行きたかった」

ということでスタッフが取材に向かったのは、三原市にある三菱重工業三原製作所。
ここは新交通システムなど三菱重工業の鉄道事業の生産拠点で、アストラムラインなど新交通システムの車輛が作られている様子を以前、野川アナも取材していました。

今回は次世代新交通システムの発表会の映像を見て、鉄道ファンの目線で野川アナに楽しんでもらいましょう。

【野川アナ】
「あ!なんですかこれ?代わりに行ってきたよって。スーパー野川くんみたいのが出てきましたけど」

それではついに、次世代新交通システムの発表です。

【三菱重工GXセグメント星光明セグメント長代理】
「新型車両『Prismo』。新たな私たちの車両のラインナップに加えて、市場に投入するということで」

【野川アナ】
「プリズモ!ちょっと未来感のある名前ですね、プリズモ!」

さっそく、次世代新交通システム、プリズモの車両を見てみましょう。

【野川アナ】
「時速80キロで走行中。80キロで走行できたら、これは確かに大きいですよね。あとは車内の静粛性とか、揺れとか。どんなとこなのかなっても気になりますね。ちょっと見た目も可愛くないですか?ちょっと丸みを帯びて、この黒のラインがちょっと犬や猫の耳に見えるような感じもします」

多くのメディアが注目したプリズモ。
何が次世代なのかというと…

【三菱重工GXセグメント・藤岡健治セグメント長代理】
「急速充電と蓄電。車両に蓄電を融合したエネルギーマネジメントシステムが一つ目」
【野川アナ】
「急速充電と蓄電池。車体に蓄電池を積んで走るわけですか」

プリズモは車両に搭載した蓄電モジュールにためた電力で走行するシステムで、これまでの新交通システムとは一線を画します。
駅と駅の間に給電レールは無く、走行するための電気は乗降で駅に停車するおよそ30秒間で急速充電を行います。
これまで路線に張り巡らせていた給電レールは、駅の部分だけで済むため、建設コストを大幅に削減できるといいます。

【野川アナ】
「なるほど、だからそうか。それだけこまめにあると途中駅でトラブルが起きたりし
ても、次の駅まで走って行けば充電ができる。そのあたりの危機管理的にもこまめに充電ができるというのは大きいですね。で、必ず止まる数十秒の時間で充電をして、次の駅に進んでいく。これは中々未来の姿ですね。鉄輪で走る車両でも、JR九州のデンチャとかね、架線がある所で電気を貯めて、架線がないところもその中に積んである電池で走るというタイプの車両がありますけど、やっぱりあれ、未来のカタチだなって感じますから」

プリズモの最高速度は時速80キロで、1回の充電で次の駅までのおよそ2キロを走り切ることができます。

【三菱重工GXセグメントモビリティエンジニアリング部・田代太郎主席プロジェクト統括】
「今車輛の方で操作をして、充電が始まります。820Vの電圧で充電が始まりまして、注目頂きたいのはこの部分。増えるスピードですね。先ほど60%台だったのが、みるみる上昇しているのがわかると思います」

そしてもう一つ、これまでと仕組みを大きく変えたのが、進行方向を制御するガイドレールです。
従来型は車両の左右両側に設置していましたが、プリズモは、ガイドレールを車両の中央下部に配置する『センターガイド方式』を採用しています。

【三菱重工GXセグメント・藤岡健治セグメント長代理】
「真ん中にブレード一本にすると。単純に言うと半分ですね。物量が半分になると工事量も減りますので、大幅に建設費も削減できると。そしてメンテナンス費も軽減できます」

そして、充電走行とはいっても新交通システムならではの強い登坂力は変わらず、50‰の坂も何のその…100‰の急な坂も走行可能だと言います。

【野川アナ】
「ええー!100‰ってなかなかこれ…‰っていう単位そのものは鉄道お好きな方、ご存知の方も多いと思いますけど、1000m進んで高低差が何メートルあるかっていうところですよね。これは新交通しか登れないでしょ。今までのAGTが持っていた、中々鉄輪の車両でできない、登れない勾配を登れる。その強さはそのままにコストダウンをして、後はより小回りが利くようになって、だから導入をできる対象が大幅にこれまでより広がっていく。AGTの未来が開けていく。そこをリーディングカンパニーの三菱重工が扉を開けたっていうことになるんでしょうね。そんな歴史的な車両が三原で作られているっていうのは、これはやっぱり広島に住んでいる鉄道ファンとしては見逃せない話題ですよね」

《スタジオ》
【野川アナ】
「国内にはAGTの新規採用の計画は今はないそうで、主に海外向けということになっているそうです。充電式で建設費も抑えられるということで、電力事情が整っていないような新興国向けにアピール力が強いのではないかということで、すでに海外で引き合いがあるそうです。数年後にはその姿が見られるかもしれません。その暁には、『てつたま』の海外ロケを是非お願いします」