今年は「カメムシ」少ない!? 果物をボコボコにする厄介者 この冬の寒さで減少か 農園もひと安心?広島

5/26(月) 17:18

去年、全国的に大量発生し県内でも初めての「警報」が出されました。
深刻な「カメムシ」被害に悩まされていた安芸高田市のナシ農園ですが、今年は少し様子が違うようです。

【かしもと農園・樫本雄三 園主】
「(カメムシは)袋の外から狙ってきてやってしまうので収穫をして(果実袋の)中を開けてみないと分からない状態なんですよね。まさかカメムシがと心が折れそうな感じなところで、今年は例年通りの個数が出来上がってきて、ちょっといまホッとしている段階ですね」

ナシの収穫は秋のためまだ小粒ですが、今年はしっかりと育っています。
なぜ、カメムシを防ぐ対策が必要かと言うと…ストロー状の口を突き刺し果実の汁を吸ってしまうからなんです。

その対象はナシ以外にモモ、サクランボなど果物全般に及び、一度吸われると実は「ボコボコ」になって元には戻りません。

去年5月、県は最初の注意報を発表。
その後、最も多い地点で平年の29倍のチャバネアオカメムシを確認するなどし、7月には初めての「警報」を出しました。

一方今シーズンは…安芸高田市のこちらの農園や周辺では、カメムシそのものの姿を目にすることが減ったといいます。

【かしもと農園・樫本雄三 園主】
「久しぶりですね。こんな大きな実になっているのが凄く成長しているので。いい実になったよね。いやあ嬉しいですね」

【樫本さんの妻】
「安心しました」

近年はカメムシ以外にイノシシなどによる獣被害にもほっと胸をなで下ろしています。

【かしもと農園・樫本雄三 園主】
「最近見たことがないからね、プリプリしたの。あんたがプリプリ怒るのはある」

【樫本さんの妻】
「やめて」

「本当にカメムシは減ったのか」

県は今月16日、6月上旬までの「予報」を発表。
果物に被害を与えるカメムシは平年より「やや少ない」との見通しを示しました。

【県西部農業技術指導所植物防疫チーム・川辺翔瑚 技師】
「昨年度の冬に越冬量調査というものを行いまして、その結果、越冬量が少なかったので今後1カ月ではやや少ないのではないのかなと予測されます。昨年度の越冬量がそのまま春に起き上がって飛び出してくるので」

県が冬場に実施した果物に被害をもたらす「果樹カメムシ類」の調査。
冬を越したチャバネアオカメムシの数は前年に比べ「4分の1以下」に減少し、平年と比べても少ないといいます。

【県西部農業技術指導所植物防疫チーム・川辺翔瑚 技師】
「いろいろ要因があるのですが、昨年度の気温が低かったのが1つの原因かなと思っています」

要因の一つになったとみられるのが冬場の冷え込み。
初の「警報」が出た前のシーズンと比べ、今シーズンはカメムシにとって厳しい冬に…

越冬量が少ないことでいまのところ「果樹カメムシ類」の飛来は、「やや少ない」とみられますが、夏場にかけて今後も最新の情報に注意が必要です。