「核兵器を防衛の理由にすることはあってはならない」世界の元指導者がヒロシマで若者と議論

5/14(水) 18:48

核兵器使用のリスクが高まる中、国家元首経験者などからなる国際人道グループ「エルダーズ」が広島を訪れ、被爆地の若者と核兵器の脅威にどう立ち向かうべきかを議論しました。

被爆80年に合わせて広島を訪れているのは、南アフリカのネルソン・マンデラ元大統領が設立した国際NGO「エルダーズ」のメンバー8人です。

一行は、13日、原爆慰霊碑に花を手向け原爆の犠牲者を悼みました。

その後の平和を考えるシンポジウムではニュージーランドのクラーク元首相やメキシコのセディージョ元大統領が被爆地の若者とともに登壇。

クラーク氏は核兵器を持つ、インドとパキスタンの間で緊張が高まっている現状を受け、壊滅的な事態を引き起こさないようにしなければならないと警鐘を鳴らしました。

【ニュージーランド ヘレン・クラーク元首相】
「核兵器を防衛の理由にするような事態を許すことがあってはならない」

また、長崎市出身の大学生、山口雪乃さんは、核兵器廃絶に向けて「被爆地以外の若者が関わることが重要だ」と強調。

閉会のあいさつで、前国連事務総長のパン・ギムン氏は被爆国日本が果たす役割に期待感を示しました。

【元国連事務総長 パン・ギムン氏】
「日本政府は核兵器禁止条約にもっと緊密に関わり、締約国会議にオブザーバー参加するべきだ」

12日には湯崎知事が核兵器廃絶に向けた広島の取り組みについてエルダーズのメンバーと意見を交わしました。

【広島県・湯崎英彦 知事】
「エルダーズの皆さんが影響力を行使して、関心のある方々を増やしていただけるのではと期待したい」