株式会社 ファジアーノ岡山スポーツクラブ(岡山県)
今回は、悲願のJ1リーグ昇格を果たした岡山県のサッカークラブチーム「ファジアーノ岡山」を運営する「ファジアーノ岡山スポーツクラブ」が登場!チームが誕生したのは2004年、その後、2009年にJ2リーグへ昇格を果たすも専用の練習場はなくプロとは呼べない過酷な環境に苦しむ。そんな中で、子どもたちに夢を!という想いのもとある取り組みをスタート。少しずつチームを想う人々の輪は広がり、2024年、遂にJ1昇格を果たす。今回は、地域と共に成長するサッカークラブのそ~だったのか!に迫ります。
サッカーJ1リーグで活躍している「ファジアーノ岡山」。それを運営しているのが「ファジアーノ岡山スポーツクラブ」です。2004年にアマチュアクラブで発足したファジアーノ岡山は、社会人リーグ、JFLを経て、2009年にJ2リーグへの昇格を果たします。ところが、当時、専用の練習場はなく、岡山市内のグラウンドを転々とし、土のグラウンドで練習することも珍しくありませんでした。さらに、着替える場所やシャワーすらなく、汗を流すのは子ども用のプール。とてもプロとは呼べない過酷な環境だったのです。J2リーグ初年度、ファジアーノ岡山は18チーム中、最下位という厳しいスタートを切ったのです。
ファジアーノ岡山は、親会社を持たない市民クラブ。選手たちの環境を整えるため、カンパニーはスポンサー集めに奔走しますが、サッカーへの「無関心」という壁が立ちはだかります。そこで、クラブ創設からの「子どもたちに夢を!」という思いのもと、「夢パス」という仕組みを考案。これは小学生なら全試合を無料で観戦でき、その費用は、理念に賛同した地元企業が負担するというもの。2008年にスタートさせると、子どもたちがスタジアムに足を運び始め、次第に世代を超え、広がりを見せていったのです。さらに、「選手にふさわしい環境を」と、地域の人やサポーターが立ち上げた署名活動は、わずか3カ月で28万人もの賛同を集めました。すると、その熱意に岡山市が応え、2013年、念願の専用練習場とクラブハウスが完成。2016年、2022年、J1昇格プレーオフに進出するものの、敗れてしまいますが、2024年12月、満員に膨れ上がったスタジアムで、ついに悲願のJ1昇格を成し遂げたのです。