株式会社 松岡製作所(広島県)
今回は1927年創業しまもなく100周年を迎える広島県の家庭用オーダーキッチンのカンパニー「松岡製作所」が登場!カンパニーは平和公園の折り鶴台や慰霊碑の献花台を制作。最大の強みは、ステンレス同士を溶接してもその継ぎ目が一切わからないという熟練の職人技にあった。さらにカンパニーは世界へ挑戦!職人の技は世界に通じるのか?今回は、鋭い輝きを放つステンレスキッチンカンパニーのそ~だったのか!に迫ります。
フルオーダーメイドのキッチンメーカー「松岡製作所」。カンパニー最大の強みは、ステンレス同士を溶接した継ぎ目を一切なく仕上げる熟練の職人技。一般的なキッチンは既製品が主流で、ステンレスの板をプレス加工してつくられます。しかし、カンパニーのオーダーメイドキッチンは、まずお客さんの要望を丁寧にヒアリングし、展開図を作成。図面を元に、ステンレスの板を切断・折り曲げ・溶接して組み立てていきます。溶接時の高温で発生する「ひずみ」は、職人の手により丁寧に叩いて修正。そして、溶接の跡を消すために研磨をし、カウンターと同じ模様を施し境目をなじませます。すると、継ぎ目は最初からなかったかのように溶け込み、まるで一枚のステンレスから成形されたかのようなキッチンに仕上がるのです。
1952年頃からステンレス加工を始め、オーダーメイドのキッチンをつくっていたカンパニー。担当者がお客さんと密にやりとりしながらつくるため、販売エリアは広島県内に限られていました。バブル崩壊後、景気が下降し、量産品のキッチンでも十分だと考える人が増加。そんな時、東京で開催されたインテリア関連のイベントに参加したカンパニーは、完成品のキッチンではなく、ステンレス製のカウンターやシンクのパーツのみを展示しました。そこで高品質なステンレス製品が同業者でもあるキッチンメーカーから高評価を受けたことで、カンパニーのキッチンパーツのみを注文する同業者が増加。さらに、お客さんとの打ち合わせは各地のキッチンメーカーが担当するため、カンパニーは広島にいながら全国のお客さんへ販売できるようになったのです。