【いまここ こども食堂】「食を大切にしたい」規格外の野菜が主役 人も地域もつながる食卓 広島・福山市

11/5(木) 17:25

「くらしのミカタ」です。
このコーナーでは、企業の取り組みなどを通して、私たちの暮らしが豊かになるヒントを探ります。
今回注目するのは「こども食堂」。
福山市では規格外の野菜を使って運営する食堂が、子供だけでなく大人も気軽に立ち寄れる場所として存在感を高めています。

先週、福山市の畑を訪れた女性たち。
「結構たくさん作るんですよ。150人分だから、いろんなものを。これだけじゃないけどね」

彼女たちは福山市内でこども食堂を運営しているメンバー。
この日はピーマンやサトイモの収穫を手伝いました。

「こういうのを取ってくれる」
「赤いのを取る」
「赤いのとか赤くなりつつあるの」

大きさや形などが理由で販売が難しい野菜を、農家に無償で提供してもらい、調理して地域の人たちに振舞っています。

【農家 森智子さん】
Q:子ども食堂に活用されることは?
「うれしいですよ。すごくうれしい。味は一緒だから。見かけ悪くても。捨てたくないよね。せっかく作ったものだからね」

全国各地で取り組みが広がっている「子ども食堂」。
子供たちが一人でも安心して、少ない負担でご飯を食べられる場所として年々、増加しています。
全国では昨年度に1万2000か所を超え、県内でも248か所と前の年度より43か所増えました。

今回、こども食堂が開かれるのは、スーパーマーケットなどを展開するエブリイホーミイグループのキッチン付き会員制コミュニティースペース「いまここ」。
食堂はこの施設の名前を取って「いまここ こども食堂」と名付けています。
「食を大切にしたい」という思いをもった会員が、スタッフとともに3、4カ月に1回ほどのペースで運営しています。

今回、集まった野菜は20種類以上。
使う食材のほとんどが農家から提供を受けたものやスーパー「エブリイ」で長期間、店頭に並んだものです。

【「いまここ こども食堂」調理リーダー 山下千尋さん】
「いろんな種類があって良かったです。いつか大根が7割を占めたことがあったときもあって、『おおお』と言いながらやりましたけど、いろんなものに加工したんですけど」
「親芋は煮物にしようかな。グリルかどっちが良いかな。いや、煮物かな」

メンバーの一人、山下千尋さんはパティシエの経験が豊富で、献立を決めるなど中心的な役割を担っています。

【「いまここ こども食堂」調理リーダー 山下千尋さん】
「レストラン営業よりは、もっとみんなが来やすい感じの子供食堂を、じゃあやってみようかって。普通にメニュー決めて、それ買い出しして、食堂のメニューにしてたんですけど。使われない食材っていうのもやっぱり目に触れてたので、そういうのを。形がちょっと違ったりするだけで、味はしっかり美味しいので、使わせていただこうっていうことになって、今に至ります」

2023年に始まった食堂も今回で12回目。
今では提供メニューが10種類以上になり、品数の多さも人気を集めている理由の一つです。
準備をしていると、生産者が野菜を直接持ってきてくれました。

【生産者とのやり取り】
「これはツルクビカボチャなんですよ」
「カボチャ?」
「すごい!カボチャだって」
「表面悪いけどぜひ使ってください」
「ありがとうございます」

回を重ねるごとに認知度も上がり、口にする機会が少ない、珍しい野菜が提供されることもよくあると言います。

おいしい所を残す下ごしらえだけでも相当な時間がかかりますが、「いまここ」の会員たちが惜しみなく力を発揮。

【「いまここ」会員 原栄美さん】
「ここで新しい料理に出会えたりするので、組み合わせとか。それも楽しいですよ。学園祭の感じが。みんなで準備して、テーブルを配置してとかいろんなことを携われるので」

和気あいあいとした雰囲気の中、丸一日かけて準備は完了。
いよいよ明日、オープンです。

「当日」朝、あわただしく調理や会場準備に励むメンバーたちの姿がありました。
親子だけでなく地域の人など多くの客が次々と会場に入ってきます。

【小学4年生】
「きゅうりがシャキシャキしているからおいしかったです。いろんな野菜が、バランスが取れていてよいと思います」

【訪れた人は…】
「家よりもまた外で食べると気分が変わりますね」
「同じレンコンとかでも、煮たりとかいろいろ使い方が違ったりとか、味付けとかも優しくて、子どもにも食べやすい味付けで家でもやってみようかなと思います」

この日はおよそ3時間半の営業で56組、148人が利用、大盛況でした。

【「いまここ こども食堂」調理リーダー 山下千尋さん】
「『今日はなんかお野菜いっぱい』とかって、めちゃくちゃ言ってくれてた子もいて、『そうだよ。そうだよ、そこが売りだよ』って。美味しそうに食べていただいてたんで」
「農家さん、スタッフ、『いまここ』の会員さん、地域と全部が繋がれるような、本当に意義のある食堂になってきたかなとは思っています」

食を通して地域、人がつながっていく「いまここ こども食堂」。
今、ここに住む人に欠かせない存在になりつつあります。