「悲しみに暮れる母を見るのが…」原爆供養塔の遺骨、13歳で被爆死した兄と判明 81年ぶり家族のもとへ

11/5(木) 07:30

原爆供養塔に安置されている遺骨のうち、身元が判明した男性1人の遺骨が4日、遺族に引き渡されました。

平和公園内にある原爆供養塔。
ここには、引き取り手のない遺骨が納められています。

その原爆供養塔を4日午前、訪れたのは広島市に住む91歳の三好滋子さんです。

三好さんは原爆で当時13歳だった兄・若本敏明さんを失いました。
優しかったという、敏明さん。
学徒動員へ向かったのち行方不明に。
犠牲者名簿に名前があったものの遺骨は帰ってきませんでした。

母は、毎年夏になると兄を思い出し体調を崩していたといいます。

【三好滋子さん】
「それを見ているのが苦しくて…」

三好さんは、原爆供養塔の納骨名簿を何度も見に行きましたが、兄の名前は見つけられませんでした。

しかし今年、広島市が40年ぶりに原爆供養塔内の骨つぼの総点検を行ったところ、これまで「石本敏明」さんとされていた遺骨の名前が「若本敏明」さんであることが判明しました。

三好さんは「兄ではないか」と問い合わせをし、調査の結果、遺骨の返還が決定しました。

そして4日、三好さんへ遺骨が手渡され、81年ぶりに敏明さんは家族のもとに帰ることができました。

【若本敏明さんの妹・三好滋子さん(91)】
「まだ納骨堂にはたくさんの遺骨が安置されていた。みなさんのお力添えでとにかく返してあげてください。お願いします。それだけです」

原爆供養塔では、まだ812人の遺骨が家族の迎えを待っています。

■スタジオ

若本さんの骨つぼの中の遺骨をいれた封筒がしわくちゃになっていて、そのしわで若本の「くさかんむり」の部分が隠れてしまっていたため、石本とされていたのが原因のようです。

まだ800人以上の方が家族の迎えを待っているということです。
こうしたニュースが多くの人に伝わって、少しでも多くの方がご家族のもとに帰れることを祈っています。