【マイナ保険証を使用】
「退職のタイミングで切り替えた」
Ｑ：何回か使った？
「ずっと使っている。（従来の保険証と）特に変わらないかな」

【マイナ保険証を使用】
「病院で連携した。顔認証で簡単です。紙の薬手帳を持っていたほうが便利。介護の人が来た時に見せられる」

《スタジオ》
きょう１日に取材したなかでは、多くの人が「マイナ保険証」に切り替えていましたが、実際に使ってみてどんなメリットがあるのか理解が進んでいない印象を受けました。
そこで、広島市のクリニックでマイナ保険証の利点について話を伺いました。

《ＶＴＲ》
県内でもインフルエンザが猛威をふるうなか、あす１２月２日から完全移行となる「マイナ保険証」。
広島市にあるクリニックを訪ねると…
「マイナ保険証」を使う人や、従来の紙の保険証を使用する人も。
クリニックの窓口では、あすから制度が変わることについて、貼り紙などで周知されています。

厚生労働省によりますと、今年１０月末時点で県内での「マイナ保険証」利用率は４０．０４％と、全国平均の３７.１４％を上回っているものの、半数に満たない数字です。
「マイナ保険証」を使っているこちらの人は、過去の薬剤情報が確認できるメリットを実感していると話します。

【マイナ保険証を使用】
「西日本豪雨で家が全壊になった。その時に旦那の薬がすぐに出なかった。（マイナ保険証）を持っていれば、どこでも薬を出してもらえる。それで便利だと思った」

医療の現場でも「マイナ保険証」のメリットは大きいといいます。

【たにクリニック・谷 充理院長】
「診察をするうえで薬の情報や既往歴が関係してくるので、実はこの病院でこんなことをしたんだというのが、ヒントになることもあるので」

「マイナ保険証」を持っていない人も「資格確認書」を提示すれば、あす以降も保険診療を受けることができます。
また、来年３月末までは従来の紙の保険証を利用できる「暫定措置」が取られています。

【たにクリニック・谷 充理院長】
「３月までの４か月の間にマイナ保険証の利用、もしくは資格確認書の利用に慣れてもらえればいいなということで、１２月２日からはどちらかを持ってくるように声かけをするようにしている」

《スタジオ》
メリットもいろいろある中で、資格確認書ですとか保険証ですとか、どれを使えばいいのかというところで、明日以降の動きを改めて確認していきましょう。

まず、従来の紙の健康保険証は切り替えにはなりますが、3月末までは暫定措置として使用することができます。ただ、4月1日以降は使用することができません。
それ以降はマイナ保険証、もしくは資格確認書を使用することになりますが、この2つには有効期限に違いがあります。

マイナ保険証については、もともとのマイナンバーカードを取得してからの電子証明書期限が5年となっていますので、それに合わせて更新が必要です。
一方で、資格確認書については、加入している保険組合が定める有効期限が最長5年と定められています。

VTRでもお伝えしたように、利用者と医療機関ともにメリットが多いと感じるマイナ保険証ですが、一方で課題もあるようです。

それは個人情報の扱いなんですね。
マイナンバーカードは個人情報を集約しているものになりますので、例えば、施設に入居される家族の方からすれば、預ける不安がありますし、施設側からしても、預かるリスクがあります。

今、どういう形を取っている方が多いかといいますと、マイナ保険証は作って手元に置いておく。その上で、資格確認書も自分で申請をして、そちらを施設に預ける。こういった形をとっている人もいらっしゃるということなんです。
このセキュリティに対する不安というのはどのように感じますか？

【コメンテーター：ＪＩＣＡ中国・新川美佐絵さん】
「個人情報の保護ということで、私はマイナンバー制度自体にちょっと懐疑的ではあったのですが、この保険証だと、高額医療費の免除の手続きがいらないとか、医療機関を使えば使うほどメリットが大きいというのを知ると、メリットデメリットをもう一回比較して客観的に冷静に考えなきゃいけないのかなと改めて思いました」

今日、実際にお話を伺ったクリニックの院長も、明日以降マイナ保険証の切り替えとはなるけれども、それぞれの状況に応じて利用を進めてほしいと話していました。