【青坂気象予報士の天気予報】大雨降らす「線状降水帯」メカニズムを知って万全の対策を!

6/25(水) 18:00

TSSの気象予報士が、気になる天気のポイントを解説します。

この時期、今一度確認してほしいワード、それは「線状降水帯」です。
この言葉を聞いたとき、みなさんどう感じますか?

【加藤キャスター】
やはり、怖いなと…警戒しないといけないと真っ先に思います。

今や雨に対する最大警戒や緊急の呼びかけとして、用いられるキーワードになっています。それだけ広島だけでなく全国的にも、これまで重大な災害につながった大雨の要因となってきました。

この言葉を心に刻むために、線状降水帯がどのような状況で発生するのかをお伝えします。まずは、どんな状態なのか…ひとことで表すと「積乱雲の塊」です。

その仕組みをまずは紐解きます。

たくさん雨が降る時は、いろんな場所から暖かく湿った空気が集まってきます。
例えば、雨の元になる水蒸気を多く含んだ湿った空気が複数の方向から流れ込んでくると、空気どうしで合流するようにぶつかるポイントが出てきます。

合流によってその湿った空気は、上空へ方向を変える・いわゆる上昇が始まります。
空気が上昇しながら水蒸気が冷やされて雲が発達して雨が降る、縦に伸びるように高く発達する雲が「積乱雲」です。

「積乱雲」は単体でも発生すれば雨量は増加します。

線状降水帯の場合はこれだけでは終わりません!

雲ができるポイントで上空の風を受けると…風によって積乱雲が動く…

次から次へと押し出されるように積乱雲が並んでしまう…このサイクルが繰り返されて、結果的に、これが積乱雲になります。これが線状降水帯の大まかな仕組みです。
それによって同じ場所で雨が降り続けることになります。

ちなみに線状降水帯を知るには「予測(半日前)」・「発生」と2種類の情報があります。局地的なものですと、予測に関しては今の技術をもってしてもまだまだ難しいのが現状です。

仮に予測情報が出ていたのに「発生」とならなかったとしても、大雨の可能性が高い状況と隣り合わせのケースに変わりはないので、この「線状降水帯」というワードをもって、最大警戒に切り替えていただきたいと思います。