核保有国の対立が浮彫りに NPT再検討会議準備委員会 勧告案の採択断念

5/10(土) 11:00

NPT・核拡散防止条約の再検討会議に向けた3回目の準備委員会は9日、勧告案を全会一致で採択することを断念し、閉幕しました。

NPTの準備委員会は来年の再検討会議のタタキ台となる勧告案の採択を目指し、およそ2週間、議論を交わしました。

9日、最終日を迎えましたが各国の意見の違いは大きく、ガーナのアジュマン議長は「合意を得られる状況ではない」として全会一致での勧告案の採択を断念、「議長による勧告」として記録に残しました。

今回の準備委員会ではアメリカと中国が激しい非難の応酬を交わすなど核兵器保有国の対立が改めて浮き彫りとなったほか、核兵器保有国に報告書の提出を促すなどしたNPT再検討プロセスの強化に関する成果文書も採択することができませんでした。

核軍縮の後退が懸念される中、NPTの再検討会議は来年4月から5月にかけて開かれます。