「吾輩は駅長である。名前はもうある」 2代目ネコ駅長が5年ぶりに誕生 広島・JR芸備線志和口駅
5/6(月) 20:30
ローカル鉄道の存続が取りざたされる中、JR芸備線の志和口駅では5年ぶりの大フィーバーが起きています。その奮闘劇を追いました。
吾輩は駅長である。名前はもうある。
どこで生れたか、とんと見当がつかぬが、「やまと」と「ちどり」。
1歳ほどになる兄弟だ。
そんな2匹は、いま広島県内を走るローカル線JR芸備線の志和口駅すぐそばにある「りょうま駅長記念館」という建物で暮らしています。
2匹の世話をする中原英起さんです。
【中原英起さん】
「2匹とも最初はおとなしかった。でも今は成長して動きはものすごく早くなった」
中原さんの愛情をたっぷり受けてすくすくと成長している2匹のネコ。
実は地域の未来を託された注目のネコなんです。
さかのぼること今年3月…
「どうぞ!」
JR非公認ですが、「やまと」は志和口駅の2代目駅長、「ちどり」は初代副駅長に任命されました。
志和口駅では芸備線の利用促進に繋げたいとして、ネコを駅長にする取り組みを2012年ごろから行っています。
ネコ駅長が誕生したのは実に5年ぶり…なぜ5年もかかったのか、そこには偉大な初代ネコ駅長と中原さんとの深い絆がありました。
【中原英起さん】
「どうしても”りょうま”と比べるんです。頭の中で”りょうま”のことがあるから、なかなか決まらなかったのは事実」
(2018年)
「はい、りょうまくん、ネクタイしょうね~。はい、はい、りょうまくん帽子をかずこうね~。はい、これで駅長さんじゃ」
駅長の帽子を被り”ドンと”構えるネコ。
2012年から初代ネコ駅長として活躍したその名も「りょうま」。
【中原英起さん】
Q:「りょうま」はどんなネコだった?
「それはもう凛々しく素晴らしかった。(りょうまは)駅の状態を完全に把握していた。安全な場所・危険な場所を分かっていたので、全く手のいらないネコだった」
凛々しくも人懐っこい性格で可愛がられた「りょうま」。
駅長を務めた7年間に「りょうま」の雄姿を見るため2万人以上が駅を訪れました。
しかし…「りょうま」は駅の構内で倒れ天国へと旅立ちました。
(2019年2月)
「りょうま、ありがとう」
最期の日、100人以上の人たちが駆けつけ、「りょうま」との別れを惜しみました。
家族として一緒に過ごしてきた中原さんも、あの日のことは今も忘れられないといいます。
【中原英起さん】
「家族同然だったし、私も大変ショックだった。親を亡くした以上に悲しみがありました」
「りょうま」以上の駅長は見つからない。
功績を称える記念館を作るほど、中原さんにとって「りょうま」は宝でした。
偉大な駅長が去った志和口駅はかつての賑わいを失ってしまいました。
【中原英起さん】
「今は1両でもからっぽです。いかに(芸備線を)利用する客が少ないか。その原因は少子高齢化。子どもは少ない。お年寄りは亡くなっていく。益々疲弊化している現状」
地域に元気をもたらしたい。
悲しみの壁を乗り越え5年に及んだ2代目の駅長探し…
【中原英起さん】
「安芸高田市や廿日市市志和(東広島市)など色々探したが、最終的には(中原さんの自宅近くにいた)地域猫だった」
選んだ決め手は「仲の良さと人懐っこさ」その2匹こそが「やまと」と「ちどり」です。
「やまとおいで、やまとー」
2匹は今、新たな環境に慣れるためのトレーニングをしています。
ただ「ちどり」は駅に行くと怯えてしまうため、今は「やまと」だけが仕事に取り組みます。
駅長の証、帽子はまだ慣れないようですが…
【中原英起さん】
「列車が来た時にも連れていくけどやっぱり音に敏感なんですよ。「りょうま」はそれこそ自由自在に歩きまわっていた。やっぱり慣らしの訓練がいる」
背中を向けてしまった「やまと」。列車はまだ怖いようです。
それでもお客さんの前では…
「おはよう」
しっかりと目を見てあいさつに応える、駅長としての風格が少しずつ出てきたようです。
2匹が暮らす「りょうま駅長記念館」には、愛くるしい姿を見ようと全国各地からネコファンがやってきます。
就任からの1カ月で1700人を越えました。
【訪れた人】
「東京の練馬から来ました。ネコ駅長という仕事になっている猫がいるんだって、びっくりして見に行きたいなと思ってきました。館長さんが中に入ってきて名前呼んだらぴょんって駆け寄ってきてかわいいなって」
「前世はきっとJRの職員だと思います。駅長と副駅長ってことなんでもっと芸備線とかを使って「やまと」と「ちどり」に会いに来てくれる人が増えたらいいなと思います」
【中原英起さん】
Q:2匹に会いに来てくれる人をどう思う?
「やっぱり嬉しいです。この2匹を駅長・副駅長にして良かった」
一歩ずつ、一歩ずつ。
まわりの環境に慣れ、自分らしさ、いや…ネコらしさを前面に出した駅長・副駅長になって欲しい、と中原さんは願っています。
【中原英起さん】
「時間をかけて、早く2匹が駅の雰囲気に慣れて多くのネコファンが来てもらえるようになればと思う。2匹らしく人懐っこい可愛いところを活かしてもらえればいいと思う」
静まり返った街に再び賑わいを招き寄せたニューヒーロー。
偉大な先代ネコ駅長の姿を目指すまさに、招きネコとしての奮闘は始まったばかりです。
<スタジオ>
本当に仲良しな2匹可愛いらしいですね。
【コメンテーター:元カープ・山内泰幸さん】
「駅に立派な駅長と副駅長が居てくれると利用者も安心ですし、それが猫だったらより駅に行くのが楽しみになります。芸備線の利用促進につながればいいと思います」
5日時点で、訪れた方は2200人を超えたということです。
ネコの体調や精神面を気遣うということで、りょうま駅長記念館は、火曜日、金曜日、日曜日の開館となっているということです。
吾輩は駅長である。名前はもうある。
どこで生れたか、とんと見当がつかぬが、「やまと」と「ちどり」。
1歳ほどになる兄弟だ。
そんな2匹は、いま広島県内を走るローカル線JR芸備線の志和口駅すぐそばにある「りょうま駅長記念館」という建物で暮らしています。
2匹の世話をする中原英起さんです。
【中原英起さん】
「2匹とも最初はおとなしかった。でも今は成長して動きはものすごく早くなった」
中原さんの愛情をたっぷり受けてすくすくと成長している2匹のネコ。
実は地域の未来を託された注目のネコなんです。
さかのぼること今年3月…
「どうぞ!」
JR非公認ですが、「やまと」は志和口駅の2代目駅長、「ちどり」は初代副駅長に任命されました。
志和口駅では芸備線の利用促進に繋げたいとして、ネコを駅長にする取り組みを2012年ごろから行っています。
ネコ駅長が誕生したのは実に5年ぶり…なぜ5年もかかったのか、そこには偉大な初代ネコ駅長と中原さんとの深い絆がありました。
【中原英起さん】
「どうしても”りょうま”と比べるんです。頭の中で”りょうま”のことがあるから、なかなか決まらなかったのは事実」
(2018年)
「はい、りょうまくん、ネクタイしょうね~。はい、はい、りょうまくん帽子をかずこうね~。はい、これで駅長さんじゃ」
駅長の帽子を被り”ドンと”構えるネコ。
2012年から初代ネコ駅長として活躍したその名も「りょうま」。
【中原英起さん】
Q:「りょうま」はどんなネコだった?
「それはもう凛々しく素晴らしかった。(りょうまは)駅の状態を完全に把握していた。安全な場所・危険な場所を分かっていたので、全く手のいらないネコだった」
凛々しくも人懐っこい性格で可愛がられた「りょうま」。
駅長を務めた7年間に「りょうま」の雄姿を見るため2万人以上が駅を訪れました。
しかし…「りょうま」は駅の構内で倒れ天国へと旅立ちました。
(2019年2月)
「りょうま、ありがとう」
最期の日、100人以上の人たちが駆けつけ、「りょうま」との別れを惜しみました。
家族として一緒に過ごしてきた中原さんも、あの日のことは今も忘れられないといいます。
【中原英起さん】
「家族同然だったし、私も大変ショックだった。親を亡くした以上に悲しみがありました」
「りょうま」以上の駅長は見つからない。
功績を称える記念館を作るほど、中原さんにとって「りょうま」は宝でした。
偉大な駅長が去った志和口駅はかつての賑わいを失ってしまいました。
【中原英起さん】
「今は1両でもからっぽです。いかに(芸備線を)利用する客が少ないか。その原因は少子高齢化。子どもは少ない。お年寄りは亡くなっていく。益々疲弊化している現状」
地域に元気をもたらしたい。
悲しみの壁を乗り越え5年に及んだ2代目の駅長探し…
【中原英起さん】
「安芸高田市や廿日市市志和(東広島市)など色々探したが、最終的には(中原さんの自宅近くにいた)地域猫だった」
選んだ決め手は「仲の良さと人懐っこさ」その2匹こそが「やまと」と「ちどり」です。
「やまとおいで、やまとー」
2匹は今、新たな環境に慣れるためのトレーニングをしています。
ただ「ちどり」は駅に行くと怯えてしまうため、今は「やまと」だけが仕事に取り組みます。
駅長の証、帽子はまだ慣れないようですが…
【中原英起さん】
「列車が来た時にも連れていくけどやっぱり音に敏感なんですよ。「りょうま」はそれこそ自由自在に歩きまわっていた。やっぱり慣らしの訓練がいる」
背中を向けてしまった「やまと」。列車はまだ怖いようです。
それでもお客さんの前では…
「おはよう」
しっかりと目を見てあいさつに応える、駅長としての風格が少しずつ出てきたようです。
2匹が暮らす「りょうま駅長記念館」には、愛くるしい姿を見ようと全国各地からネコファンがやってきます。
就任からの1カ月で1700人を越えました。
【訪れた人】
「東京の練馬から来ました。ネコ駅長という仕事になっている猫がいるんだって、びっくりして見に行きたいなと思ってきました。館長さんが中に入ってきて名前呼んだらぴょんって駆け寄ってきてかわいいなって」
「前世はきっとJRの職員だと思います。駅長と副駅長ってことなんでもっと芸備線とかを使って「やまと」と「ちどり」に会いに来てくれる人が増えたらいいなと思います」
【中原英起さん】
Q:2匹に会いに来てくれる人をどう思う?
「やっぱり嬉しいです。この2匹を駅長・副駅長にして良かった」
一歩ずつ、一歩ずつ。
まわりの環境に慣れ、自分らしさ、いや…ネコらしさを前面に出した駅長・副駅長になって欲しい、と中原さんは願っています。
【中原英起さん】
「時間をかけて、早く2匹が駅の雰囲気に慣れて多くのネコファンが来てもらえるようになればと思う。2匹らしく人懐っこい可愛いところを活かしてもらえればいいと思う」
静まり返った街に再び賑わいを招き寄せたニューヒーロー。
偉大な先代ネコ駅長の姿を目指すまさに、招きネコとしての奮闘は始まったばかりです。
<スタジオ>
本当に仲良しな2匹可愛いらしいですね。
【コメンテーター:元カープ・山内泰幸さん】
「駅に立派な駅長と副駅長が居てくれると利用者も安心ですし、それが猫だったらより駅に行くのが楽しみになります。芸備線の利用促進につながればいいと思います」
5日時点で、訪れた方は2200人を超えたということです。
ネコの体調や精神面を気遣うということで、りょうま駅長記念館は、火曜日、金曜日、日曜日の開館となっているということです。