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90歳被爆者 仲間の無念を「物言わぬ証人」旧陸軍被服支廠に託す

08/6(木)  19:32 掲載

被爆者の高齢化が懸念される中、「物言わぬ証人」被爆建物が担う役割も大きくなっています。保存のあり方で議論を呼んでいる「旧陸軍被服支廠」もそのひとつです。

8月6日の朝を自宅で過ごす切明千枝子さん。90歳の被爆者です。
【被爆者・切明千枝子さん】
「もう年を取ったら朝がつらくて出向いて行くのがしんどくなって」
80歳を超えてからテレビで式典を見るようになった切明さん。8月6日に必ず手にするのは、亡くなった先生や同級生の名前が記された冊子です。
【被爆者・切明千枝子さん】
「アイコさん、ミチコちゃんとこの名簿をくって声に出して読むんですよ。そしたら一人ひとりの顔が浮かんできて本当にね、生きたかったんだろうなって思うんですよね」
【黙とう〜祈り】
【被爆者・切明千枝子さん】
「8月6日っていうのはね。私にとっては祈りの日でもありますけれども、むしろ怒りの日なんですよ。なんで戦争というのはなくならないんだろうなんで核兵器はなくならないんだろうそこのことが残念で悔しくてあの人たちの死はなんだったんだろうってね思うと本当に悲しみと怒りで胸がいっぱいになるんですけどね」
そんな切明さんが、物言わぬ証人として想いを託すのが「旧陸軍被服支廠」です。旧陸軍の軍服などを作っていた被爆建物で、現在、国が1棟県が3棟を所有します。去年、老朽化のため県が2棟解体の方針を示しましたが反対の声があがり先送りとなっています。戦前、この中の保育園に通い、戦中は学徒動員でここで作業にあたった切明さん。
【被爆者・切明千枝子さん】
「広島がただ単なる被害を受けた被爆地であるだけでなく、軍都広島であったこと加害の地であったことそのことをこの建物が私は物語っていると思うんですよね」
きょうは、加藤厚生労働大臣が被服支廠を視察しました。湯崎知事がその歴史的・構造的価値を説明した上で保存には、莫大な費用がかかる実情を伝えました。
【加藤勝信厚生労働相】
「歴史のある大変価値のある建物だということを改めて認識をさせていただきました。協力できることがあれば協力させて頂きながら検討を進めていただきたい。費用負担等については全体の構想によってずいぶんかわっていく。平行して議論させていただきたい」
きょうも切明さんは被爆体験を伝えていました。毎回これが最後かもしれない、そう思いながら臨む切明さんは平和への願いを「物言わぬ証人」へ託したいと思っています。
【被爆者・切明千枝子さんの講演】
「平和を守り、本当必死で守らないと平和は消えちゃう。再び戦争があって、また若者や子ども達がむごい死に方をする。そういうことが2度とあってはならないと思っています」

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