ずきゅん。TSS

2026年5月18日から世界配信開始!

被爆地・広島の放送局として、開局以来、核兵器廃絶と平和の実現を目指して番組を発信してきたテレビ新広島(TSS)が、「Hiroshima Peace Program TSSアーカイブプロジェクト」(報道特別番組)の第11弾作品として、2008年8月6日に放送したTSS報道特別番組『描けなかった2枚の絵―原爆が投下された日の記憶―』(2009年度日本民間放送連盟賞 中四国地区審査会・報道番組部門 優秀賞受賞)の英語版を2026年5月18日(月)から世界に向けて配信する。

この番組は、ナレーションを担当した女優・深浦加奈子さんの遺作。番組制作時、深浦さんは闘病中で、体調が悪化していたにもかかわらず、深浦さんの強い希望で広島まで赴き、本番組のナレーション収録に参加。収録からおよそ 1か月後に逝去された。
被爆者・松原美代子さんが自らの傷を見せながら2人の高校生に託した未来への希望、松原さんの願いを叶えるため心を込めて絵を描く高校生たちのひたむきな姿、そして深浦さんが全身全霊を注いだ語りを通して、番組が描く人々の平和への思いを届ける。

【あらすじ】

松原美代子さん(当時75歳)。彼女は12歳の時、爆心地から1.5キロメートルの場所にある鶴見町で被爆しました。
1962年29歳の時に広島の代表として、平和巡礼ツアーの旅で世界14カ国を訪れ、核実験反対を訴えたのを機に、証言活動を開始。「これからは世界中に自分の声で訴えなければいけない」と決意し、30歳から英語の勉強を始めます。そして、被爆者として外国人観光客らに英語で被爆証言を語ることができる、貴重な存在となりました。

松原さんが被爆証言を行う時、手助けとなるのが、当時の状況を自身で描いた13枚の原爆の絵。しかし、松原さんにはどうしても自分で描けなかった2枚の絵がありました。その描けなかった絵を、広島市立基町高等学校の生徒の東郷佑紀さんと松原未羽さんが描いてくれることになったのです。2人は松原さんの話を聞き、松原さんが被爆した場所を訪れ、当時の状況を知ろうとしました。松原さんの話をもとに、描いては聞き、描いては聞きを繰り返す2人。
悩みながらも描き上げた絵は、松原さんの心に一つの希望を灯しました。

【ナレーション: 女優 深浦 加奈子】

深浦加奈子さんと愛猫のニコラス
(ご自宅にて:三木祥子さん撮影)

病気になってからは大手マネージメント会社を辞め、私がボランティアでマネジャーを勤めており、その流れで広島も付き添ってお伺いしました。「こんな状態で広島まで行って、ちゃんと仕事ができるの!?」と、とても不安になるような状態で、抱えるようにして伺ったのですが、一旦収録スタジオに入り、スイッチがONになると、凛として、見事に最後までこなしていたことに、すごく感動したことが思い出されます。

また、お仕事の前に、「どうしても行かなくては」ということで、平和記念公園の原爆ドームで一緒に涙を流しながらお参りしたことは、一生忘れることができません。両親が子どもの頃から、長崎も含めて、原爆の悲惨さ、恐ろしさを私たち姉妹にいつも語ってくれており、広島は常に心を寄せていた特別な地でした。
あらためて姉として、この最後の妹のお仕事は、「永遠の誇り」です。

三木祥子(深浦加奈子さんの姉)

【ディレクター】

若木憲子(わかき のりこ)

被爆者が証言をする中で、当時の惨状を知らない人たちに、よりリアルに感じてもらうために視覚で訴える「絵」は、被爆体験の継承に大きな役割を果たしています。
今では全国的に知られる広島市立基町高等学校の「原爆の絵」ですが、この番組を制作した時は取り組みが始まったばかりでした。
2007年当時は、被爆者本人に絵を描いてもらう取り組みも進められていましたが、被爆者が高齢化し、なかなか自ら絵を描くことが難しい、という現実に直面していました。そんな中、絵を学ぶ高校生が、被爆者から当時の状況を聞いて、被爆者に代わって絵を描く取り組みを知り、松原美代子さんと高校生2人の密着取材を開始。高校生2人が松原さんの話を聞き、想像し、事実に向き合い、描き進めるのは決して簡単な道のりではありませんでした。
その松原さんも2018年に死去。今では、当時の惨状を語ることができる被爆者が減り、生の声を聞ける機会は、益々、貴重な時間となっています。番組を通して、一人でも多くの方に、「被爆の惨状」を知っていただけたらと思います。

【スタッフ】

構成
岩井田洋光
撮影
中田充
音声
西本大輔
音声
金子千鶴
音声
柿本朱希
編集
中渡瀬太一
映像
柳谷基司
MA
講崎友蔵
AD
吉見雄希
広報
友重里香
美術
田野中節子
日本語台本・日英字幕
半野史恵
英語版編集
吉村美紀
翻訳
レイチェル・ニコルソン
ディレクター
若木憲子
プロデューサー
原田典佳
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