被爆地・広島にあるテレビ新広島(TSS)が取材した被爆証言などを若い世代の人たちと共に英訳し、世界へ向けて発信するTSSアーカイブプロジェクトの平和教育企画「次世代継承プロジェクト」。
2024年からアメリカにあるアイダホ大学がこの企画を大学の日本語プログラムの公式教材として採用しており、今年は20名の学生が英訳に取り組んだ。
この作品は、TSSアーカイブプロジェクト公式サイトで、8月12日から世界に向けて配信する。
【アイダホ大学の英訳授業風景】
【英訳に参加した学生代表の感想】
シエナ・サレーノ
森 重昭さんの翻訳プロジェクトに携わったことは、私の人生の中で最も充実し、やりがいを感じた経験の一つでした。日本語の学生として学んできた知識を活かし、平和への取り組みや対話を前進させるために役立つことができたことは、とても光栄でした。
翻訳に取り組んでいる間、森さんの話を知って、数えきれないくらい涙を流しました。世界平和を願い続ける森さんの勇気と決意に心より感謝しています。森さんの証言に心を動かされました。
森さんはアメリカ人に対して怒りや憤りを持つ理由があったにも関わらず、広島や長崎の被爆者が経験したような苦しみを誰にも経験してほしくないという信念を持っています。森さんの平和への願いに国境や限界はありません。
森さんの思いを知った今、私もその平和への願いを一緒に持ち続けたいと強く思っています。
アナリー・ディーン
このようなプロジェクトに参加する機会をいただいて、心より感謝しています。
アイダホの小さな町から来た英語専攻の学生として、日本語を勉強できた経験は本当に素晴らしいものでした。特にこの翻訳のプロジェクトに取り組みながら、私は国際的なコミュニケーションの重要性、様々の視点から歴史を学ぶ必要性、そして、一人の物語が何千人もの人々の心に届く力を持っていることを実感しました。
翻訳をしていた時、私は広島の原爆で森さんたちが経験した戦争の残酷さに胸を打たれました。しかし、それ以上に私が驚いたのは、森さんが個人的につながりのない亡くなった兵士たちにも優しさを示し、そのご遺族を探そうと尽力された強い使命感でした。
核戦争が二度と起こらないことを願う森さんの思いを、翻訳を通じて広く伝えるお手伝いができたことは、私にとって翻訳に対する大きな見方を変える経験となりました。そして、同時に常に平和を願い続けることの大切さも教えてくれました。
トファー・スクワイア
このような翻訳プロジェクトに関わる機会をいただいたことを大変光栄に思っています。森さんの思いとこれまでの活動を学ぶことは、戦争やその出来事に対して人々がどのように向き合い、受け止めてきたのかについて、新しい視点を与えてくれました。森さんが人と人をつなぎ、互いの理解を深めようと尽力されていることに、とても感銘しました。
私は幸いにも留学中に広島を訪問し、広島という街がどのように歴史を受け継ぎ、平和の願いを発信し続けているのかを実際に見ることができました。これは大変貴重な経験でしたし、歴史を語り継ぎ、平和を築こうとする人々の献身的な取り組みには深く心を打たれました。こうした経験を通じて、多くのことを学ぶことができたことに心から感謝しています。そして森さんや他の多くの被爆者の証言が、よりたくさんの人々に届けられ、決して忘れられることがないことを心から願っています。
タイラー・マーシュ
物理学専攻の学生で、予備役将校訓練課程の学生でもあり、現在、海軍で働きながら学位取得を目指しています。この翻訳プロジェクトを通じて、原爆の被害を経験された人々の生活や思いについて深く理解することができました。
特に、森さんという被爆者が自らも深い苦しみを抱えているにもかかわらず、日本人の犠牲者だけでなく、亡くなったアメリカ人に対しても思いやりを持っていることに深く感銘しました。
森さんのメッセージは、和解、共感、赦しは、報復や憎しみよりも強く大きな力を持っていることを改めて教えてくれました。森さんの核兵器廃絶を訴える姿勢は、戦争の悲劇を平和への誓いへと変えた実践であり、私自身も対立より対話と相互理解を重んじることを大切しなければいけないと思いました。
【アイダホ大学】
1889年創立。米国アイダホ州北西部に位置する州立の研究型総合大学。州内トップの研究機関として地元の雇用や経済に大きく貢献している。多様な視点、革新的で創造的な考え方を育くむことに重点を置き、学部生および大学院生を対象に200以上の専攻科目を提供している。モスコー市のメインキャンパスの他、州内各地にキャンパスと研究施設を備えている。


