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第28回FNSドキュメンタリー大賞

まさかと言わないために~ビッグデータで読み解く広島豪雨災害~

5月25日(土)ひる12時~12時55分

広島県内で130人以上の犠牲者を出した去年の豪雨災害。自宅や外出先、帰宅途中で大雨に見舞われた人たちは、その時、どういう行動をとったのか?番組では、携帯電話関連企業の協力を得て、被災地周辺にいた人の位置情報を分析。研究機関と共同で、人々の避難行動の可視化を試みた。また、SNSの投稿内容にも注目。そこから浮かび上がったのは、“避難することへのためらい”。命を守る「早期避難」を実現するため、必要なことを探った。

どれぐらいの人が危険にさらされていたのか

土砂災害のリスクが高いとしてあらかじめ指定されている「土砂災害警戒区域」。去年7月6日午後7時~8時、各地で災害が次々と発生し始めたこの時間に、広島県内の「土砂災害警戒区域」にいた人数は、位置情報データから割り出した結果、約23万人だった。これは、通常の人数とほぼ同じ。日中から避難情報等が出されていたにも関わらず、ふだんと変わらない人数が残っていたのだ。

なぜ、人々は逃げようとしなかったのか

当時ツイッターに投稿された内容を分析すると、「大雨特別警報」が出た午後7時40分頃に、“警報”という言葉を含むツイートが急増。そして、“避難”という言葉を含む投稿も増えていった。しかし、その内容は「今から避難しようか悩む」「車を出すのが怖い」といったもので、多くの人が避難をためらっていた心理状況が明らかになった。

早期の避難行動を促すものは

専門家は、「ひとりで判断して“逃げる”行動を決定する人は少ない。ほかの人と話をする中で“逃げないといけないのでは?”という疑いが確信に変わり、初めて行動する」と指摘する。実際に、“ほかの人との会話”が、早期避難につながった例があった。東広島市のある団地では、土石流で住宅に大きな被害が出たが、前日までに多くの住民が避難を終えることができていたのだ。

高齢者の避難を助けるために

土砂災害監視システムの開発に取り組む大学生

一方、“逃げたくてもすぐに逃げるのが難しい”立場にある高齢者。その避難を助けようと、最新技術で挑む若者たちがいた。広島市立大学情報科学部では、土砂災害の危険個所を24時間監視・公開するシステムを開発。学生たちは、高齢者が実際に使えるものになるよう、被災者にヒアリングをしながら、実用化に向け改良を進めていた。

◆報道部・菱野将史ディレクター

「豪雨災害の取材現場でよく聞いたのは、“まさか自分のところでこんなことが…”という言葉でした。しかし、広島ではこの4年前にも70人以上が犠牲になる豪雨災害があったばかり。日々のニュースで防災を訴えてきたつもりでしたが、多くの人にとっては“他人事”のままだったんだなと痛感しました。どうしたら“自分ごと”として考えてもらえるのか。毎年雨の時期はやってきます。“自分の命は自分で守る”という基本を、いまいちど“自分ごと”として考えてほしいです」

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