てっちゃんが集まる場所『0番線の記憶』「妄想鉄」と「ジオラマ好き」にはたまらないカフェ&バー

10/15(水) 20:00

鉄道の魅力を熱くお伝えする野川キャスターの「てつたま」です。

【野川キャスター】
昨日10月14日は「鉄道の日」鉄道ファンがもっとも熱くなる日でした。
(1872年 10月14日 日本初の鉄道開通 新橋~横浜間)
今回はあつい!あつい鉄分がこもったお店を取材してきましたよ!それでは…

すっかり夜の帳が下り、「てつたま」初となる日没後の撮影がスタートです。

【野川キャスター】
「さあ、ということでやってきましたのは、広島駅からほど近いJR西日本・中国統括本部が入っている建物ですね。中国地方を広く管轄しているJR西日本さんのオフィスビルでございますが…なんとですね、この広島駅からほど近いところに0番線がですね、復活したというのは変ですね。0番線があるんだそうです。おっ。見てください。
カフェ&バー『0番線の記憶』でございます。ここですね、ここが0番線か」

広島市東区にあるJR西日本・中国統括本部が入るビルの道路を挟んだ向かい側に今年3月オープンした『0番線の記憶』
カフェ&バーということですが、店内はどうなっているのでしょうか?

【『0番線の記憶』オーナー 桧垣りかさん・野川キャスター】
「失礼します、こんばんは。あー、こんばんは、失礼します。おっ、すごい、目の前に大ジオラマですけどもね。おお!ちょっと、あのボードを見てください。『ようこそ!てつたま』ということで、歓迎いただいてありがとうございます。ありがとうございます、嬉しい~。
ご店主さんでいらっしゃいますか?」
「はい」
「これは阪急ですか?」
「そうなんですよ。野川さんが、阪急がお好きだと聞いておりましたので」
「ありがとうございます。お店としてどういったところになるんですか?」

「ジオラマをご覧の通り、併設していまして、レンタルレイアウトをして遊ぶこともできますし、この走る電車たちを見ながらお酒を飲んだり、コーヒーを飲んだり、自由にゆっくり過ごすことができるお店になっております」
「なるほど、ここで鉄分を補給しながら、美味しいものも頂ける、そういうお店ですか?」
「そうです、そうです」

店の半分近くを占めるジオラマは、まだまだ未完成で桧垣さんの夫や鉄道が大好きな中学生の手を借りながら、日々作り込んでいるそうです。
ジオラマは使用料を払えば、車両を無料で借りることができるので、初心者も気軽に楽しめますね。

【『0番線の記憶』桧垣りかさん・野川キャスター】
「野川さん、ここから見た風景。どこかの風景に似ていると思いませんか?」
「どこかの風景、どうなんですか?横川チックな…」
「はい」
「あ、これは違いますね、この反応はね」
「でもね、近い。近いです」
「近い?」
「この線路は可部線をイメージしておりまして、こちらの線路は山陽本線をイメージしております」
「なるほど。だから横川を出て、ここでグイーンと曲がって可部線離れていきますもんね」
「はい、そこをちょっとイメージして作りこんで、途中ではあります」
「なるほど。この川幅も確かにヒントだったかもしれないですね、緑地帯とかね」
「そうです、太田川ですね」
「はい、いやー、俄然ちょっと親近感がこの辺り湧いてきましたけれども」
「このジオラマ、完全再現ではなく、イメージとして作っているところがあるので。この『妄想鉄』ってあるじゃないですか?もしかしたら、ここら辺のイメージなのかなとか、妄想しながら思いを馳せたり、それも没入の世界だと思うので」

「奥の方になると、またこれちょっと世界観が変わるんですか?」
「そうですね。今、桜が見えているところが、こういう風に桜がつらつらと並んでいる風に見えたら、志和地駅に見えるんですけど。

90度反対側から見たら、今度は狩留家駅に見えるっていう感じの。ちょっとパラレルワールドみたいな感じなんですけど」
「本当に見る角度であり、場所であり、脳内でね、いろいろと鉄道ファンは補完をするんですよね、自分で。ここはこの駅の周辺だから、あ!この列車が走っていく。
ちょっと見方を変えて、こうなるとこっちは新幹線が走っている。
この脳内でいろいろ考えていくっていうのが、『妄想鉄』ね、その辺りにもつながってくるということで」

この日、店に来ていたこちらの方は、なんと!月に5回も来るという常連さんでした。

【常連さん・野川キャスター】
「今もう手元においしそうな物を置いていらっしゃいますけど、」
「あ、そうですね。白牡丹ですね、広島といえば。まあ、一杯飲みながら、自分の持っている車両を走らせるのを眺めて、没入するのが、私の楽しみでございますね」

さらに、リクエストすると、特別な楽しみ方ができるんです。
薄暗い店内で室内灯を付けて走る車両が浮かび上がります。

【常連さん・野川キャスター】
「一杯、進んでおります。いかがですか?」
「没入できております。同じ趣味を持つからこそ、世代を問わず会話ができる。コミュニケーションが取れるっていうのは、ほかの飲食の業態ではなかなかないことだと思うんですよね。僕はやはりここでは、そういう価値があると思って、月5回ほど常連では…」
「はははは、何度聞いても月5回はすごいですよね」
「大事なことなので、2回言いますけれど、2回言いますけども…」

そして、ジオラマ製作を手伝う中学生も筋金入りでした。
このレッドウィングの模型は自分で広電カラーに塗り替えたそうです。

【田邉幹基くん(中学2年生)・野川キャスター・『0番線の記憶』桧垣りかさん】
「ちょっといいですか?触っても。ありがとうございます。すごいなー。ちゃんとこのコラボのヘッドマークもつけて。まあ細かい。もう参りました、脱帽です。というやつですね」

【『0番線の記憶』オーナー 桧垣りかさん・野川キャスター】
「野川さん、踏切とか作ってみませんか?昨日、この彼が構内踏切をなんか15分位で作ったんで…」
「そんなことができるんですか?」
「はい。作られた暁には、その踏切の名前を『野川第一踏切』にさせていただきます」
「ありがとうございます。俄然やる気が出てきました」

降って湧いたジオラマの「踏み切り」作り。
私、不器用なんですが、大丈夫なんでしょうか?

【沼田蒼空くん(中学2年生)・野川キャスター】
「まず、この厚紙を使って踏切の板の部分。渡り板を作ります」

不器用な私に任されたのは、渡り板に見立てた厚紙がレールに干渉しないように、幅6ミリに切り出す作業。切った厚紙は線路に置いて、踏切の場所を決定します。

【沼田蒼空くん(中学2年生)・野川キャスター】
「えー?でも本当にさっきのここ。お気に入りです」
「じゃあ、ここにしますか?」
「ここにしましょう、はい。じゃあ、この辺りちょっと…よっと」
「じゃあ、これで『野川第一踏切』の完成です」
「ありがとうございます。これがどんな風にね、いわゆる踏切になっていくのかっていうのがちょっと楽しみですね」

この後は師匠が、わずか20分ほどでチャチャっと作りこんで『野川第一踏切』が無事、開設されました。

最後は鉄道にちなんだお酒があるということで、頂きます。
人気の寝台特急にちなんだ『サンライズ』です。

【『0番線の記憶』桧垣りかさん・野川キャスター】
「『サンライズ』も14両で、四国から7両来て、山陰から7両来て岡山駅で連結するじゃないですか。日本酒と麹のカクテルをそれぞれ70ccずつ。この70ccと70ccが連結するっていうイメージで作りました」
「素晴らしい。あ、麹のいい香りがしますね、いただきます。おいしい。口当たりとても滑らかで、お酒と言うよりも本当に甘酒の延長線上にちょっとあるような柔らかさ。

ところで、このコースターもね、素敵なコースターなんですけども。こちら、お店の名前ですよね、これ由来はどんなところなんですか?」
「私、三江線、元三江線ですね、もう今なくなりましたけど。が、もうとっても大好きな路線だったんですね。その三江線が三次駅に乗り入れていたホームが0番線。今、無いんですけど、そこの三次駅の0番線ホームから、とりました」

「言われてみれば、ちょうど後ろに在りし日の三次駅三江線乗り場0番線ホーム。
今、綺麗になって『三江線ここにありき』みたいな碑がね、置いてありますけど。
私もちょっと広島に来た時には、もうすでに三江線が廃線になってしまっていたので、実際にちょっと乗ることがかなわなかったんですね」
「私が店名につけたのは三江線だったんですけど、0番線と言えばこの駅、あの駅ってたぶん人によって思いつく駅が違うと思うんですよ。妄想の世界といいますか、イメージの世界といいますか、お客様、人それぞれ、自分の0番線に思いをはせてもらいたい」

「うーん、なんかこう確かにこれ、1番線の記憶でもなくて、3番線の記憶でもなくて、0番線の記憶というのは、確かに絶妙な感じがします」

鉄道模型に囲まれ、食事やお酒も楽しめる、0番線の記憶。
鉄道に没入できる、鉄分あふれる空間でした。