TSSテレビ新広島

2003年11月度 TSS番組審議会報告

とき:2003年11月25日(火)午前11時~

ところ:(株)テレビ新広島 役員会議室

議題

  1. 番組『前略、礼子へ~猫田勝敏、家族への手紙~』
  2. “やらせ”問題について

事務局より

  • BPO報告
    1. 「BRC」テレビ山口「山口県議選事前報道」の審理状況
    2. 「放送と青少年に関する委員会」 フジテレビ「水10!」の著名人をトイレ用品に見立てたパロディコントの件についての、回答文の検討状況。
  • TSS 10月度レスポンス状況報告

審議

(1)番組『前略、礼子へ~猫田勝敏、家族への手紙~』

  • タイトルが素晴らしく、またPRスポットも見てみたいという気をおこさせるものだったが、実際は期待を裏切るものだった。
  • 再現シーンのお粗末さが特に気になった。
  • 没後20年ということで、「猫田」を知らない人に向けてう少し「猫田」の偉大さを紹介する必要があったのでは。
  • メールが主体の今、「手紙」の素晴らしさについて考え直させられた。
  • 一選手の名前が体育館についているのは、世界中でも「猫田」ただ一人。そんな広島出身の偉大な人物を取り上げた番組を制作してくれたことに感謝したい。
  • 「猫田」は本来、豪快で天才肌の人間。そんな彼が、マメに手紙を書くようなきめ細やかな一面があるとは知らなかった。確かに、バレーのトスにしてもアタッカーを気遣う心・慮る気持があふれている人だったので、そういう部分をもっと入れて欲しかった。
  • 視聴者が様々なことを感じ取ることのできる、素晴らしい番組だった。スポーツ振興に貢献し市民スポーツの関心を喚起するような番組だったと思う。
  • 自分の学生15名に感想を聞いたところ、「猫田」の存在を知らなかったが、地元広島でこんなに素晴らしい人物がいたことを誇りに思う、夢をひたむきに追い続ける姿勢・家族を思いやる気持ちに感動した、等の感想があった。
  • 放送日時が3連休の初日だったが、もう少し若い視聴者を誘導する工夫があっても良かったのでは。
  • スポーツ部の制作ということで、単なる「お涙ちょうだい」ものではなく、その裏話も上手く盛り込みながら構成されていたと思う。
  • 猫田さん自身の生の声を入れた方が良かったのではないか?また、ナレーションが一人称の「ボク」という語りで進行していた。結局、JTの猫田さんの後輩の下村さんだと後でわかったのだが、この手法が良かったのかどうかわからない。
  • 手紙が一つのキーポイントになっていたが、ミュンヘンオリンピックの前まではその意味もあったと思うが、その後は、病気になられたこともあり、手紙の持つ意味が希薄だった。
  • 伸び盛りの、良き時代の日本バレーの記録を拝見したという気持ち。日本の経済状況も出口が見えないが、バレーと一緒で再びあのいい時代が来るのかなという気持ちで見た。

これらの意見に対して、スポーツ部部長の寺川良一は

  • JTサンダースの取材をしている中で、猫田さんの手紙のことを知り、是非ともこれを番組にしたいというディレクターの熱い思いがこの番組のきっかけとなった。
  • 金メダルが宿命づけられた厳しい環境の中で、奥様や家族を思いやる気持ちを忘れなかった猫田がに注目した。
  • ご指摘の一人称の手法は、"ボク"が"誰"かと思わせるため、あえて後半まで隠していた。
  • 20年の節目を機に、広島の財産を形にしておきたかったという気持ちも強かった。等、制作意図を述べた。

(2)“やらせ”問題について

  • 現在問題になっている視聴率問題とも密接な関係があると思われる。
  • 視聴率をはじめとする、「結果至上主義」というものがこういう事態を招くのではないか?
  • 視聴者を「欺く」という行為であり、それが当たり前ということになっていると思う。
  • テレビ文化・放送文化というのはまだ歴史も浅いが、インパクトの強いもの。おもしろければいいという受け手側にも責任があるのではないだろうか?
  • 影響の大きいテレビゆえに、送り手と受け手の双方向で「テレビを考える」番組などを作ってみたら良い。
  • テレビも新聞も、第三者機関を設置することも大事だが、やはり現場の末端でいかにチェックしてゆくかが大切なことになってくる。
  • プロダクション制作の増加ということも「やらせ問題」とは密接な関係があるのでは?
<出席委員>
岸田俊輔委員長・大野徹委員・福島光宏委員・山田知子委員・佐藤義博委員・池田明子委員
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