地域で守る「ほたる祭り」 西日本豪雨とコロナを乗り越え 明日を照らす”灯”

6/10(月) 20:30

アフターコロナとなった今年、各地で様々なイベントが復活しています。
土砂災害とコロナ禍を乗り越えて、復活した地域の祭りに密着しました。

広島市安芸区・阿戸地区、週末、地域の人たちが集まって作業しているのは、祭りの準備です。
会場には、地域の竹を使って、竹の中に明かりを灯す、「竹あかり」も飾られます。

(竹あかり担当者)
「ついた。つきました。よかった」

コロナ禍で中止されていた祭りは、去年、4年ぶりに、一部が復活しましたが、アフターコロナとなった今年は、完全復活しての開催です。
ここで行われるのは「ホタル祭り」です。

広島市安芸区を流れる熊野川は、広島市内でも有数のホタルを見ることのできる絶好のポイントでした。
しかし、2018年7月に起きた西日本豪雨で川は大きな被害を受けました。
護岸が崩れ、一部で川が氾濫。
川が荒れてしまった後、かつてのように多くのホタルが飛び回る姿は見られなくなくなりました。
災害から6年を経てようやく工事は終わり、護岸はきれいに整備されました。
しかし・・・。

(ほたる祭り実行委員 防災士・下條孝志さん)
「自然のものがある所とない所がはっきりしているので、ホタルが出る出ないでいったら自然がいっぱい残っている所」
Q:難しい所ですね?
「災害がきたらまた崩れないように補強することは大事なことだが、かと言ってホタルがいなくなっても困るし」

町の人たちにとって、ホタルは特別な存在です。
地元の小学校の児童たちは、ホタルの幼虫を育てて、川に放流してきました。
それは、災害後も毎年、続いています。

(子どもたち)
Q:ホタルの幼虫を放したりする?
「するよ。4年生」
「(ホタルの)幼虫を川に戻す」
Q:毎年やっている?
「うん毎年」
Q:ホタルが出るといいね
「そうなんですけど、ちょっと天候が怪しいのでどうだろうって感じです」

空模様も怪しい感じ。
夜には雨が強くなるという予報が出ています。

あたりが薄暗くなる頃、祭りは佳境を迎えます。

(子どもたち)
Q:お祭りは楽しい?
「はい。楽しいです」

長きにわたるコロナ禍で、様々なイベントが出来なくなっていました。
町民同士のつながりも希薄になっていく中で、子供たちの笑顔が見たいと立ち上がったのは、地域の大人たちでした。

(ほたる祭り実行委員会 阿戸おやじの会・佐々木懸太会長)
Q:子供たちの笑顔がいいですね?
「そうですね。それが僕たちも楽しみでやっているので、こうやってみんなが楽しんでいる姿がやって良かったなと思います」

しかし、祭りの始まりから、2時間が経った、午後7時過ぎ、雨が激しくなってきました。
しかし、雨の中、みんな、傘をさして、祭りの盛り上がりは続きます。

暗くなると「竹あかり」の灯かりが闇に浮かび上がります。
ろうそくを仕込んだ竹あかりは、雨のために消えてしまいましたが、LEDの竹あかりは、雨の中で、独特の輝きを放っていました。

(竹明かりを見た人)
「HAPPY?」
「ほんとだHAPPYって書いてある。すごいね」

この竹あかりの先に、ホタルが出てくるポイントがあります。
川沿いに続く真っ暗な道。
災害から6年が経ちました。
この土砂降りの雨の中で、ホタルは、現れるのでしょうか?

(子どもたち)
「あそこ今光ったあそこにいっぱいいるよね」
「2匹くらいいる」
「あそこ今飛んでいる」
「ほんとだあそこ」
「あっちも光った」
「ほらいっぱいいる」
「ホタルが見られてよかった」

雨にもかかわらずホタルが舞っています。
はかなくも、確かな明日を照らしてくれる、ともし火です。
土砂災害にコロナ禍、ここ数年、厳しい生活が続きました。
それでも、地域の人たちの努力で町は以前の姿を取り戻そうとしています。