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「お父さんの背中に刺さったガラスを…」アニメも駆使、オンラインで若い世代に伝える被爆体験 広島

8/5(金)  18:48 掲載

特集シリーズ「あの日をつなぐ」です。6日で被爆77年を迎える広島。被爆者の高齢化が進む中、彼らの思いを受け継ぎ次世代に伝えていくために活動する人たちの姿に迫ります。

被爆体験を新しいかたちで伝えようとする人もいます。並川桃夏さん、24歳。
高校生の時に取り組んでいた平和活動がきっかけで、特別な経験をしました。アメリカのオバマ大統領が現職として初めて広島を訪問した時、並川さんは慰霊碑前でオバマ大統領に花輪を手渡すという大役を担いました。これまで様々な活動を続けてきた並川さん。その中で多くの被爆者の体験を聞いてきました。高校2年生の時です。被爆体験を聞く予定だった被爆者が、直前に亡くなってしまいました。

【並川桃夏さん】
「今の小さな子供たちというのは、本当に(被爆証言を聞く)機会が数回、数える程度しか残されていないのかなと思っているので、子供たちと被爆者の方を繋げることによって、(被爆者が)かかわりやすい存在になったらと思いますね」

並川さんが訪ねたのは、福山市に住む被爆者・廣中正樹さん、82歳です。

【廣中正樹さん】
「今82歳になって活動できるのは85歳くらいまでだと思うんです。これから若い人には継承してもらおうと思っているんです」

並川さんが取り組んでいるのは、オンラインを使った被爆者と交流できるイベントです。

【並川桃夏さん】
「オンラインで開催することによって、気軽にワンクリックで入れるような状態になったので、今まで(証言を)まったく聞いたことがないとか被爆者の方がどこに住んでいるのかわからない人でも気軽に参加できるようになりました」

【廣中正樹さん】
「(オンラインは)なんとなく不安なところもある。2人の協力者がおってじゃけえ、大丈夫だろうと感じているんですが…」

もう1つ並川さんにはアイデアがありました。クレイアニメにした廣中さんの体験を使うことで、より伝わりやすくなるのではと考えています。

【語り:廣中正樹さん】
「手あみを持って川で遊んでいました。その時、ピカッと光りました。川下からゴーっという大きな音を立てて爆風が私に迫ってきました。何が起こったかわかりませんでした。
前の山を見ると山の上に大きなきのこ雲ができていました。家に帰ってみるとお父さんは居間に座っていました。全身やけどの姿でした。『父ちゃん、どしたんか』本当に悲しくなりました。『正樹、お父さんの背中に刺さっているガラスを抜いてくれ』と言ったんです。
私は5歳の小さい指先でガラスをつかんでひっぱりましたが、びくともしませんでした。
『父ちゃん、全然とれないよ』お父さんは、『ペンチを持って来い』と言いました。私はペンチを持って来て、ガラスをペンチを握って抜こうとしましたが、すべって全然とれませんでした」

イベント当日を迎えました。イベントには大人だけでなく小学生の子供も参加。自由に交流できる時間を設けました。

【廣中正樹さん】
「できるだけ協力してあげて子供たちと一緒に過去のことも知ってもらって、自分たちは今度は将来どうすればいいかということを考えていただくものに役立ててもらえば一番いい」

あの日をどう伝えていくか…難しい課題に取り組む被爆77年の夏です。

【並川桃夏さん】
「被爆者の方の『二度と自分たちと同じ思いをしてほしくない』という思いを胸に活動をしているので、絶対起こらないように自分1人では何もできないですけどみんなを巻き込んで活動していけたらなと思います」

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