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苦境に立つ新聞販売店 地元のいい品を地元の人に届ける 「呉ものがたり」

7/28(木)  17:41 掲載

朝の情報番組「ひろしま満点ママ」が出会った頑張る人を応援するコーナー。
地域に根差した新聞販売所が仕事の枠を超え新たな挑戦です。手を携えたのはコロナで苦しむ地域の事業者。目指したのは、みんなの「ため」になる取り組みでした。


新聞紙をじっと見つめるこの男性。その仕事は…。
(枝岸新聞舗・枝岸元 所長)
「中国新聞の呉東販売所、ご自宅に新聞を届けている会社になります。当エリアでは5000部弱配っています」

呉市本通りで、40年、地域に新聞を届ける「枝岸新聞舗」。父親の後を継ぎ、息子の元さんが所長になって4年。その経営状況は、大きく変わりました。

(枝岸 所長)
「やはり新聞自体が若い世代になかなか普及していかないという部分がずっとこれはもう課題だと思うんですよ。その中でのコロナでチラシのクライアントさんが、なかなか出稿が厳しい部分もあるので、そういったところで厳しい状態は続いています」

コロナ禍もあり、街から活気が失われていく中、新聞の購読者やチラシの出稿も減少。
そこで枝岸所長は考えました…

(枝岸 所長)
「何が僕たちにとって強みなのかなと思った時に毎朝呉で何万というご自宅に一斉に届けるというこの強い配達力と中国新聞というブランド力。そういったものをうまく使えないかなというのは、すごくヒントになった」

自分達の強みをいかして、呉の街を元気にしたい!市内にある12の販売所と連携してスタートしたのが「呉ものがたり」というプロジェクトでした。

(枝岸 所長)
「毎月1回、折り込みチラシで販売をしてきました。呉のものを呉の方に知っていただいて、呉を応援する」

折り込みチラシで販売するのは地元、呉の事業者が手がける商品やサービスです。
鶏肉卸の会社が作る鍋セットやクリーニング店の宅配サービスなどコロナ禍で苦しんでいる事業者とタッグを組み、商品を各エリアの新聞販売所が届けるというこれまでにない取り組みを始めたのです。

(枝岸 所長)
「地域を隈なく知っていますので、早いんですね。地図見なくても行けるというか、そこはすごいなと思います。商品をお届けした時に、『美味しかったよ』『また頼みますよ』という声を今度は事業者さんに届けられるんですよ。そこが一番強い。どういう思いでその方がその商品を作ったかとか、そこを買われる方にも伝えるというのも仕事だと思うんですね」

折り込みチラシの次は、販路を広げるためにオンラインでの販売もスタートさせました。
また、プロジェクトを進める中で今年2月には、「JR呉駅」のすぐ側に自動販売機も設置しました。観光客や通勤・通学で行き交う人の多いこの場所で呉の魅力を発信しています。


(枝岸 所長)
「順調に売れています。やはり次の商品、次の商品が出てきますので、お客様も楽しみにしていただいてると思います。冷凍販売というのはハードルが高い、その中でも事業者さんたちが工夫して新しい商品を生み出そうという所もすごく僕としては嬉しいです」

新たな販路を開拓し活動を始めた呉の事業者。その眼差しは、今、枝岸所長と同じその先を見つめています。

(鳥徳商店・広瀬仁志さん)
「自社にとっても呉の街にとっても、活性できればいいというのがあって。今まで飲食店さんに向けていたものを個人さんとか違う発想というかルートを作っていこうというのは思いましたね」

(丸昌・甲斐将平さん)
「一番驚いたのは、こんなにまだモノって売れるんだというのがありました。自動販売機でもリピーターさんに付いて、いただいてこういった形でいっぱい売っていけるんだというのが分かった」

新聞広告での発信から1年あまり。「呉ものがたり」プロジェクトの活動は、着実に仲間を増やし、更なる展開へと広がりを見せています。


(枝岸 所長)
「これは平和の鳩と言いまして、子どもたちに平和について字を書いていただこうと」

子どもたちが、平和への思いをしたためて財団宛てに送るポストカード。その収益は、子どもを支援する施設や団体の活動に使われます。

(枝岸 所長)
「僕自身が新聞屋さんという所があって、やはり毎日のように悲しいニュースが飛び込んでくる中で財団の方と出会って、このポストカードを呉ものがたりから買っていただいてその売上げを避難された方に贈るという所の第一弾が食パンを送らせていただきました」

ポストカードの売上げの一部を使って、今年4月、呉市の人気ベーカリー「一本堂」が作る食パンをウクライナからポーランドへ避難している人たちに寄贈したのです。


(枝岸 所長)
「呉の方に平和について考えていただくという事も僕たちの一つの仕事だと思うんですよ。
役目というか。そういったものをポストカードを通じて広めていきたいなと思っています」

その一本堂では…

(一本堂呉中通店・福田嘉子さん)
「私ができる事はパンを焼くだけなんですけど、それがそうやって困っている人の所に届くというのは、そういう道筋を作っていただいたのは今回すごくありがたいなと思います」

(Q:枝岸さんの存在とは?)
「すごく人を大切にされる方だなと思ったのと、全然畑違いの業種の事に対してすごく一生懸命勉強されて話をされるので、すごくこちらも信頼できるし、だから人が集まるんだろうなと思います」

地域と共に事業を営む自分が地域のためにと始めた地域活性化プロジェクト。枝岸所長の挑戦はこれからも続きます。

(枝岸 所長)
「楽しいです、すごく。それがまた新聞のファンを作るという事につながってくると思うので。中国新聞として恥じない所長になること、事業者さんのモノをしっかり全国に発信できるという役割を担っていきたいなと思っています」

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