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広島が誇る伝統芸能「神楽」 継承と発展に取り組む若い力 広島・安芸高田市

6/30(木)  17:51 掲載

朝の情報番組「ひろしま満点ママ」が出会ったがんばる人を応援するコーナー。
広島が誇る伝統芸能の「神楽」。その存続も、ひと筋縄ではいかないようです。
コロナ禍や時代の変化に翻弄されながらも絆を繋ぐ神楽団員を取材しました。

(羽佐竹神楽団副団長・稲田圭介さん)
「滝夜叉姫という演目になります。朝廷に背いた平将門という武将がおりまして成敗されます。その娘である五月姫が滝夜叉姫と名をかえて、朝廷に謀反を起こそうとします。その企てを知った朝廷から大宅中将光圀という武将を派遣され成敗されるという物語となります」

全国屈指の神楽の町、安芸高田市高宮町でその伝統文化を守り続ける「羽佐竹神楽団」。こうして集まり活動できるようになったのはここ最近になってからの事だと言います。

(羽佐竹神楽団副団長・稲田圭介さん)
「だいたい年平均30公演ぐらいしているんですけど10公演に満たないぐらいの状況になっております。どうしても人が集まる所になりますので、練習はやはり半分以上できていないですね」

現在、羽佐竹神楽団には20代から80代まで、22人が所属。コロナ禍で思うように活動できない日々が続く中明日を担う若手団員たちにも迷いがありました。

(羽佐竹神楽団副団長・稲田圭介さん)
「若い者は舞いたいばかりの中で、なかなかモチベーションを保つのが難しいという状況でございます。舞わせてやりたいという思いがあるんですけど、このご時世なのでかわいそうな思いをしていると思います」

舞を披露する機会が激減したこの2年。悔しい思いに駆られる日々を送る中、この日、地元の集会所に若手団員の姿がありました。

(羽佐竹神楽団・下岡佑也さん)
「お疲れです!すみません今日は集まってもらって」

同世代の人たちと楽しそうに談笑する羽佐竹神楽団の下岡さん。そして、その様子を撮影するカメラマン…。一体、ここで何が行われているのでしょうか。

(羽佐竹神楽団・下岡佑也さん)
「今日は『NEXTひろしま神楽プロジェクト』のYouTube撮影をしております」

下岡さんが発信する「ネクストひろしま神楽プロジェクト」とは?

(羽佐竹神楽団・下岡佑也さん)
「神楽を披露できないからこそ何かできる事があるかなと若い団員達と一緒に、映像やSNSを使って神楽団員たちがどういう事を思って神楽に取り組んで受け継いでいくかという裏側とかも伝えて広島の神楽の魅力というものをお届けしたい」

YouTubeチャンネル「ひろしま神楽TV」映像

神楽のファンはもとより、神楽をよく知らない人にもその魅力を伝えたいとアニメーションや団員の舞台裏トークなどをYouTubeで発信。今年2月からスタートしたこのプロジェクトでは団の垣根を越え安芸高田市にある神楽団の若手が集結し共に活動しています。

(羽佐竹神楽団・下岡佑也さん)
「コロナになる前は神楽ができなくなると思ったことが無くて、言っていいかどうか分からないですけれど正直ずっとやっている時は、やはり仕事が終わって練習もですし、本番に行くというのも結構大変だったりするんですけど、あれ?神楽休んでもいいの?みたいな。
ちょっとゆっくりできるかなというのも正直あったんですけど、1カ月2カ月経った時には、もう神楽がやりたくてやりたくて。約30年ぐらい神楽をしている中で、やっぱり神楽が好きなんでしょうね」

地元の伝統の神楽が存続の危機に直面する中、その灯を消さないためにと下岡さんが中心となって立ち上げた今回のプロジェクト。活動する若手団員も強い思いがあります。

(横田神楽団・上岡凌さん)
「神楽が好きで子供の頃からやっていたんですけど、神楽友達がすごく少ない中で、こういうプロジェクトを通して誘ってもらって、横の繋がりができて、ただ単純にそれが自分の中で嬉しかったり。普段はライバルですけど」

(上河内神楽団・藤田浩記さん)
「見て欲しいというか知って欲しいですよね。僕らはお客さんが一人でも多ければのぼせて舞うので。知ってもらって足を運んでみようと思ってもらえれば、これほど嬉しい事は無いかなと思いますけどね」

「ひろしま神楽」の未来を担う若手がその魅力を伝えようと始めた今回のプロジェクトではインターネットを使った発信以外に、もう一つ大きな取り組みがありました。
この日、羽佐竹神楽団の稽古場をのぞいてみると…そこには真剣な表情で台本を読む団員の姿がありました。

(羽佐竹神楽団・下岡佑也さん)
「今日は、新しくできた『厳島合戦』という演目を皆さんに見ていただいて、今後取り組んでいきたいねという話をしています」

プロジェクトを機に制作した新しい演目「厳島合戦」。地元ゆかりの戦国武将毛利元就を題材に作られたこの台本は、安芸高田市で活動する22の神楽団体が共有し、今、それぞれの神楽団ごとに練習を始めています。

(羽佐竹神楽団・下岡佑也さん)
「安芸高田市を代表する毛利元就の新作を作ることで練習する意欲の向上を図れないかなということで演目を作りました」

困難な日々を乗り越えてきたからこそ改めて気付いた「ひろしま神楽」への強い思い。こうした若手の取り組みに、ベテランの団員も大きな刺激を受けています。

(羽佐竹神楽団・副団長・稲田圭介さん)
「ちょうど神楽もちょっと下火になった所もありますので若い考え方を色々取り入れて神楽がどんどん発展していただく事が私らの願いなので。そうですね、やはり頼もしと思いますよね」

(羽佐竹神楽団・下岡佑也さん)
「今後、プロジェクトとしては映像コンテンツやSNSを使っていく事も引き続き、より多くの人に神楽の本質というものを伝えていきたいなと思っていますし、広島には300近く神楽団がありますので、地域を越えた神楽団同志の交流というのも目指して今後も活動していきたいと思っています」

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