広島ニュースTSS

JR三江線・廃線から4年 岐路に立つ地域交通 代替バスが走る沿線の「今」を取材 

6/29(水)  18:48 掲載

赤字が続くローカル路線についてJR西日本が収支を公表し、今後の在り方について、いま議論が始まっています。
一方で、4年前、過疎化を理由に廃線となった三江線の沿線ではその姿をバスに変え地域交通をになっています。
いま、廃線となった県北の地はどうなっているのか現状を取材しました。

人口およそ5万人が暮らす県北の町・三次市。中心部にある三次駅を出発する一台のバス。
北部に位置する三次市・作木町まで向かいます。1日あたり、上下線それぞれ5本走るこのバスは、朝と夕方は通勤や通学で利用される一方、日中の時間帯は・・・

【梅田記者】
「こちらは三次駅です。これから出発するこちらの代替バス、実際に乗ってみたいと思います。バスの車内なんですが、乗っている人は私以外に誰もいませんね」

午前11時半すぎ、乗客を誰も乗せることなくバスは出発します。市内中心部を走り住宅地のバス停を通りますが…

「今、バス停を誰も乗ることなく通過しました。出発してからここまで誰も乗ってくる人はいません」

バスは最後まで誰も乗せることなく、およそ30分後に終点に到着しました。

【バスの運転手は】
「昼の時間帯は、乗ってる人が少ないですね。地域の方々に乗ってもらって、もうちょっと車内が盛り上がればありがたい」

三江線の代替バスは、現在、10の路線で運行されていますが、すべての路線で赤字となっていて、赤字額は年間2億円を超えています。

今回乗ってみたバス路線の1つ、作木線では、昨年度、1便あたりの利用人数が、年間を通じてわずか3、4人程度にとどまっていて、厳しい地域の現実が浮き彫りになっています。

【代行バスを運行する君田交通・松尾宏代表】
「三次市内の病院に行ったり、買い物する方だったり、学生だったり皆さんがどんどんご利用いただければ、今後も学生やお年寄りに利用していただけるように努力していきたい」

利用者の減少に歯止めがかからない実態。
過疎化が続く地域の交通は今後、どうなっていくのか。
JR西日本は、今年4月、利用者の減少が続くローカル線の収支を初めて公表し、芸備線や福塩線など17路線30区間で、「単独で路線の維持が困難」としています。
今後の行方に注目が集まる中、5月には「存廃」について視野に入れた踏み込んだ発言が飛び出すなど、ローカル線のあり方が問われています。
廃線となった三江線の沿線に住む住民は複雑な胸の内を語ってくれました。

【代替バス沿線の住民は】
「三江線はほとんど使ってない」
「Q:廃線になる前から?」
「そうそう。ほとんど車。三江線がなくなって不便な思いをしたことはない」

【代替バス沿線の住民は】
「三江線というのは、懐かしさと思い出があるから、そういう意味では寂しくなりましたけど、バスになったから便利とかは感じない。残してほしかったなとすごく思う。孫たちがずっと(学校に)通うのには、バスより三江線のほうがしっかりしてる」

【代替バス沿線の住民は】
「Q:代替バスは乗る?」
「乗ります。車もないし病院に通って、帰りに買い物して帰る。バスがあるのは本当に助かります」

住民の様々な思いが交錯する中、三次市は、代替バスの必要性はあるとしながらも、財政的な負担の大きさを指摘します。

【三次市地域振興部・中原みどり部長】
「収益性で考えたときには、行政の支援が不可欠。維持費にかかる行政的な財政負担は大きなものがある。効率的な走らせ方として再編などは考えていかなければいけない」

鉄道からバスに変わったことによる、利用者の変化については…

【三次市地域振興部・中原みどり部長】
「利用者の数字で言うと(廃線前後で)それほど大きな変化ない。代替バスになってからも、移動手段としては確保されている」

人口の減少が進む中、自治体にのしかかる重い負担。三次市では、「第2の三江線」になりかねない赤字ローカル線があり、今後の行方を注視しています。

【三次市地域振興部・中原みどり部長】
「鉄道は中山間地域にとっては必要不可欠な移動手段であり、地域にとっても大切な資源。(国の)方向性や考え方が示されると思うので、そういったところも踏まえながら今後議論していかなければならない」

岐路に立つ地域交通。過疎化が進む中山間地域に必要な交通手段とは一体なんなのか。他の赤字路線でも今後の在り方について、慎重な議論が求められています。

直近のニュース

全力応援!カープファームチャンネル

TSSアーカイブプロジェクト

地域安全情報 広島県警察公式Facebook