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「高齢化で草刈りができない」地域の課題解決にジモティーを活用 広島・三次市 

6/14(火)  18:39 掲載

人口減少と高齢化が進む県北のまちが、地域の悩みをデジタルの力で解消しようと模索しています。その取り組みを取材しました。

田んぼわきの市道の草を刈る1人の女性。その作業を三次市の職員が期待のまなざしで見守ります。実はこれ、三次市とIT企業が行った実証実験なんです。

【実証事業に参加した森脇麻由さん】
「腕が疲れて慣れていないので大変な仕事だなと思いました」

デジタルの力で地域の人々の悩みを解決し、さらに自治体の業務を効率化する…そんな一挙両得をめざす取り組みが始まろうとしています。三次市では今、市長の肝いりで力を入れていることがあります。

【三次市DX推進本部事務局・宮本香係長】
「こちら健康推進課なんですけれども、コロナのワクチンのですね管理をしている部署になります。3回目の接種に向けて摂取記録をあらうという作業があったんですけれども。本市はそこを人で本来やるべきところを“RPA”という、一部ロボットに自動化させて処理をしてもらうという。これは人間がですね、対比して目で見て比べるんですけども、そこ機械的にやってしまうということですね」

デジタル化で新たな価値を生み出すデジタルトランスフォーメーションです。このシステムを導入することで、確認にかかる時間をおよそ80%削減できたといいます。
そのほかにも、三次市役所の公式ライン上に24時間、ゴミの分別について答えるAIチャットを設置。捨て方まで丁寧に教えてくれます。

さらに市民課では死亡届を提出したときに、健康保険やマイナンバーの廃止などその人に関わる必要な行政手続きが記されるようになりました。申請が必要な書類にも名前や住所が自動で記入されるといいます。

【三次市DX推進本部事務局・宮本香係長】
「本人確認を一度済ましてしまえば、自動で印刷されたものが出てきて、ですから非常に住民の方は何度も書く手間が省ける」

三次市では現在、大小およそ20のDXプロジェクトが進められています。DXに力を入れるそのわけは…

【三次市DX推進本部事務局・宮本香係長】
「福岡市長がDXを進めていくんだと。人口減少であったりとか、高齢化社会をどう乗り越えていくのか。今までのやり方ではもう駄目だろうと。市民の方がどういう暮らしが幸せなのか、便利で楽な暮らしになるのかっていうのをデジタルの力を使って、変革して行こうと。より良い市民サービスを生み出していくか」

三次市内に網の目のように張り巡らされた市道。三次市が管理する市道はおよそ3600路線、1850キロにもおよびます。

【三次市役所建設部土木課・小林大策係長】
「ここは市道ですので、基本的には三次市の管理になるんですけども。距離数が非常に長いく、全て市で除草するのは難しい。地域の人に協力してもらって、細い道路は地元で除草管理している所が多い」

地域住民が市道の草刈りをして申請すると1平方メートルあたり20円の手当てが出る制度が三次市にはあります。住民が市道を除草する後押しになっていました。しかし…

【三次市役所建設部土木課・小林大策係長】
「(地域によっては)草を刈れる人が1人とか2人とか70代80代ばかりで作業が苦しい地域がやっぱり年々増えていると思う」

<三次市×ジモティー=労働力をマッチング>

三次市畠敷町。山際に沿って作られた市道の隣に戸田肇さんの田んぼがあります。長年、田んぼの畔や市道の雑草は戸田さんが刈っていました。

【戸田肇さん】
「もう年だから、斜面の草を刈るのは難しいから市へお願いをした」

この日、戸田さんに代わって市道の草刈りをするのが、森脇麻由さんです。三次市に引っ越してまだ2年ほどという森脇さんがなぜ市道の草を刈ることになったのか…きっかけは…月間1000万人以上が利用する、情報サイト『ジモティー』です。三次市はサイトを通じて草刈りに協力してくれる人を集める実証事業を行うことにしました。

【三次市DX推進本部事務局・宮本香係長】
「(草刈りを)やって欲しい人とやってあげようという人が繋がれば、草刈りをサポートしてくれる人がいるのではないか。デジタルを使って人をつなげていくとそういった仕組みを今考えているところです」

ジモティーを通じて、実証事業の趣旨に賛同してくれた人はおよそ20人。この日、都合がついた、森脇さんは今は三次市に住んでいますが、草刈り機を使うのは全くの初めてです。
1時間ほどかけてゆっくり丁寧に市道およそ80mの雑草を刈り取りました。

「めっちゃ、上手になっとってですよ最初にくらべたら…」
「結構難しいですね」
「初めてにしては上手よ」
「ありがとうございます」

今回、三次市に協力したジモティーも手ごたえを感じたようです。

【ジモティー・日向野朋実取締役】
「今回、三次市の草刈りという限られた募集でも、かなりたくさんの人が手をあげてびっくりした部分もあった。(同じように)困っているところは日本中たくさんあると思うので、地域の労働力不足で困っているところ、作業に対してジモティーがマッチングをスムーズにして解決量を上げていきたい」

実は今回、実証事業を行うのは、人のマッチングだけではありません。三次市は草刈りの申請や報告、さらにその決済まで行う電子システム・ロコネットを新たに導入しました。これまでは、紙の報告書や写真を市役所まで持ち込むか、郵送する必要がありました。ロコネットではパソコンやスマートフォンから草刈りをした場所や距離、写真などを電子申請で完結できます。

Q電子申請はできた?
【三次市総務部財産管理課・西岡信治主査】
「そうですね、ロコネット。無事に申請も動いてます。市役所に(申請書を)持って来なくてもいいし、紙に書かなくてもいいので、申請者はとても楽になると思う」

【ジモティー・日向野朋実取締役】
「地元の方とも話をして、他の都市の他の作業でも同じことが起きているんじゃないかと、いろいろ話をして感じたので、ジモティーが解決できる数・大きさはまだたくさんあると思っている。まずは三次市でスタートさせてどんどん解決量を増ていきたい」

デジタルの力を使ってより良い市民サービスを模索する三次市…草刈りをしてもらいたい人とやりたい人を結びつけ、地域の悩みを解決するこの仕組みをどう運用していくのか?来年度の実現を目指します。

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