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映画「ぼけますから…」呉市出身監督が続編を制作【後編】 認知症になったからこそ気づけた宝物もある

4/6(水)  13:03 掲載

シネマカフェ番外編。3月25日公開の映画を取り上げます。人生100年時代の家族の日常をリアルに描いたドキュメンタリー映画。自身の両親を撮影したひとり娘で監督の信友直子さんにいま届けたいメッセージを聞きました。

【前編】から続く

【信友直子監督】
「私これ、語弊があるかもしれないんですけど、認知症がくれたひとつの贈り物かなっていう気もして」

映画「ぼけますから、よろしくお願いします。〜おかえりお母さん〜」認知症の母をみとった信友監督はある思いを抱いたといいます。

【信友直子監督】
「認知症になってしまうと、今までの母とはどうしても違うんですよ、なんかえ?なんでこんな風になってしまったのっていう、ちょっと、そういう母を通過してから亡くなったことで、わりとソフトランディングできたというか、軟着陸できたというか。ちょっとずつちょっとずつ普段の母じゃなくなっているから、ちょっとずつ精神的にお別れができてたのかなっていう気がしてて。母のやさしさだったかもしれないし、なんかちょっとこう神様の親切みたいな、そんな不思議な思いもします。なんか私が傷つかなくて済むように、母がそういう風に、計らってくれたのかなっていう気さえします。

認知症とかネガティブに捉えられがちですけど、やっぱり母が認知症になったからこそ、気づけたこととか、得られたものとか、宝物もあるわけで、母がよく言っていたんですけど、人生楽しまんと損よって。悪い風にだけ捉えるのじゃなくて、そこをいかにして前向きに捉えて楽しむかっていうのが、そういう風にしていくのが一番自分にとっても、得かなっていう風に、思えてきましたね」

ユーモアあふれる信友家の日常。映画の舞台でもある、ご自宅にもおじゃまました。

【信友直子監督】
「母の仏壇があそこで、まだ母にはあそこにいてもらってるんです、お骨で。おかあさんはまだここにおってもらうんよね」
【父・良則さん】
「うん、おってもらいます。まだ」
【衣笠アナ】
「お母さんとの一番の思い出を聞きたいんですけど」
【父・良則さん】
「60年いう年月は長いですからね。ええことを思い出す方が多いですわい」
【衣笠アナ】
「どういう思いで尽くされたのか」
【信友直子監督】
「お母さんにごはんも作ってあげたりなんでもしてあげよったろ。なんでああに尽くしたんかね」
【父・良則さん】
「やっぱりわしゃ、こんなにまじめなおなごじゃったけんね。ほじゃけん、好きじゃったんですよね、わしはね」
【信友直子監督】
「愛ですね」
「ハハハ」

信友家には温かい笑顔が似合います。

【信友直子監督】
「人が亡くなるっていうのは、すごく悲しいことだと思うんですけど、やっぱりそこにも学びがあるし、でやっぱり私結構美しいと思ったんですね。父がそこに寄り添って、声をかけて、あんたが女房でよかった、って言う言葉を聞きながら母は旅立ったんですけど、なんかすごく美しいものを見たなって思ったし、母は幸せな人生だったなって思えたんですよ。

そういう多幸感というか、そういうものを軸にしながらこの映画は作ったつもりなので、人生の終幕にも、お互いを思いやる気持ちで、冗談を言ったり、笑顔もあるし、父と母のほっこりした、連れ添ってきた60年の愛っていうのを見ていただくことで、ああちょっとなんかかわいいもの見たな、あしたからちょっと元気になれるかもしれんなっていう風に思ってもらえるような、気持ちになっていただくっていうのが、一番の私の望みなんですね」

【衣笠アナ】
「今後は?カメラはまわして撮影は続けていらっしゃる?」
【信友直子監督】
「もう仕事というよりもそれが私の人生という感じになってきたので、父のことは相変わらず撮影しています。この間の選挙のときには、市役所に選挙に行って、多分最高齢の市役所に選挙に行く人だなって言ってそういうのを撮ったり…」

「ぼけますから、よろしくお願いします」その後の物語はこれからも続いていきます。

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