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限界集落で薬草を栽培 障がい者とともに癒しの里づくり 広島「百人邑」

11/25(木)  18:20 掲載

朝の情報番組「ひろしま満点ママ」が出会ったがんばる人を応援するコーナー。今回は、広島市安佐北区にある農業と福祉を連携した作業施設に注目します。自然の恵みを活かしたそのユニークな取り組みを取材しました。

周囲を木々に囲まれた山深い場所にある、こちらは、一般社団法人、百人邑。

「1万坪ぐらいになるんじゃないかね。わからんね、僕も。今2千坪ですからね、開墾してるのが。あそこの茶色のところから、ずっといって、あの一番上の今未開墾の土地まで。
もう住んでる人が8世帯しかおらんけぇね。ここは限界集落地ですよ」

地域では高齢化が進み、農業従事者が減少する中、百人邑では、耕作放棄地を活用した野菜の栽培など、様々な取り組みを行っています。

(一般社団法人百人邑・竹添筧二さん)
「野菜の方は、ひとつの品目ではなくて、少量多品種を野菜の方の目利きが作ってるんですが」

こちらの、変わった形をした野菜は、四角豆。そしてこちらも珍しい、赤いオクラです。

「基本的には、うちの野菜セットというのが、3千円からつくって、月に2回とか、ご依頼があったら贈り物なんかにも使って頂いて」

こうした野菜の販売のほか、今年から新たな制度がスタートしました。

「企業農場という形で、ここ9月の15日くらいにオープンですよ。やっとここまできたんです。8月はあの(荒地)状態」

耕作放棄地を開墾し、契約したオーナー企業のために、百人邑のスタッフが畑を管理する、この企業農場。こちらの畑のオーナーは、飲食店をいくつも経営している企業なんだそうです。

「これが店に行くんですよ。よくできてるでしょ。これ黄色いにんじん。これがあと一カ月したら出荷ですからね。全部行く予定で頑張りよるんですよ。うちのスタッフがみんなみて、草抜きして」

こうして、日々、野菜作りに励む百人邑のスタッフ。その多くは、それぞれ事情のある人たちです。

「うちの場合は農福連携という形なんですけども、障がい者という方がいらっしゃいますが、ひとつ言えばうつ病とか、軽度の方がこちらの方で雇用されて働いてらっしゃいます。
やっぱりこういう自然の中で、人と比較するんではなくて、自然と寄り添いながらやっていくことが、うちの特徴でもあります」

百人邑の事務所として使われているのは、竹添さんの実家。ここで、障がいのある人と雇用契約を結ぶ、就労継続支援A型事業所を開設したのは、今から5年前のこと。

「ああいった自然の中で自分を置いておくと、やっぱり自然はすごいねって、それでみんな気が楽になって、そうか、そんなに人と比較しなくていいのかって。人と比較して落とし合いだから、でメンタル壊れるから。やっぱり人と比較する人生を送るなということでしょう。そういって社会に戻っていければね」

百人邑では、野菜作りのほかにもうひとつ、力を注いでいるものがあります。それが…

「当帰(とうき)という薬草と、柴胡(さいこ)という薬草なんですけど」

当帰とは、生薬などにも使われる薬用作物で、日本では主に、奈良県で栽培されるヤマトトウキや北海道で栽培されるホッカイトウキがあります。

「全部当帰です。ここは。耕作放棄地には田んぼはつくらなくてもいいけど、薬草なら体力もいらないし、勉強になるんじゃなかろうか、ということでやり始めたんです。ただ簡単にじゃあやりましょうって言ってできるもんではなかった。まず当帰の場合は種からやると3割しか出ないんで、そこのところの確率もあるけども、無農薬しかできないので、だから薬を入れることはできません。今ここ、秋に植える種じゃないんですけど、3列撒いてるんですよここ。でね、雑草が先に上がってきてるんですよ、今見てたら。うわぁ、ダメかも、こりゃ(芽が)出んで」

収穫した当帰は、1カ月以上かけて低温で湿気を除いて乾燥。さらに細かくしたものを袋に詰め、商品として販売します。

「2年前から出してますけど浴湯剤、当帰の葉と根を入れたものを発売して、当帰湯というのを作ってます。で、もうひとつは、柴胡とカモミールを一緒にしてお香を作ってます。このふたつでみんなが食べて行けるようになって、なおかつここを広島県で唯一、薬草の里をつくるということで、今2千坪ですけど、1万坪まで薬草をつくって、その中の担い手が障がい者の方の力も借りながら一緒につくっていこうとしてるんですよ。それが最終的なゴールになっていくと思います」

ココロが疲れた時、ここへ来ればホっとひと息つくことができる…。そんな癒しの里が完成するのももうすぐです。

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