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広島で頑張る外国人タクシー運転手 コロナ禍で仕事を失うも”ひたむき”に生きる

10/12(火)  19:48 掲載

新型コロナウイルス感染拡大の影響で広島を訪れる観光客は激減。観光ガイドの仕事を失いながらも、コロナ禍で前向きに頑張るある外国人の生き様を追いかけました。

ギター片手に得意の歌を披露するのは、「ヒュー・キャーン」さん。

「なんだっけ?忘れた」

ちょっぴりお茶目で、65歳とは思えないほど元気なヒュー・キャーンさんの職業は…

乗客)日本に来て何年?
キャーンさん)その話すると長いんですけど。
乗客)長いの(笑)?日本語上手だから。
キャーンさん)最初に来たのは三十何年前だけど…。

流暢な日本語で乗客と会話するキャーンさん。そう、彼の職業は、タクシードライバー。
勤務するタクシー会社の250人のドライバ−の中でたった一人の外国人ドライバーです。

オーストラリア出身のキャーンさん。日本に何度も訪れるうちにその魅力にどんどん惹かれていきました。

【ヒュー・キャーンさん】
「日本の文化が何かが僕に訴えていた。すごい豊かな国だったから、自分の心に訴えていた」

外国人ながらも書道三段・合気道三段と日本人顔負けの特技をもっています。日本に住みはじめ、特に広島への強い思いも。

【ヒュー・キャーンさん】
「広島は歴史的に昔も今も重要で深い。食べ物も美味しいし、人柄もいいし。広島はある意味自分の「故郷」と思っている」

キャーンさんの1日は朝早くから始まります。自宅から勤務先近くまで電車で移動し、そこから自転車で急いで会社へ。
キャーンさんが、タクシードライバーとして働くことになったのは、去年の5月のことです。

【ヒュー・キャーンさん】
「観光の関係の仕事やってたけど、コロナのせいで全部なくなったから、何すればいいか悩んでいた…」

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、右肩上がりだった外国人観光客の数は激減。去年、広島県を訪れた外国人観光客はおよそ40万人、おととしに比べて235万人も減少しました。

【ヒュー・キャーンさん】
「1年前、自営業で個人でやってきたんですけど、業績もよかったし、次の年も見込みはよかったけど、コロナでなくなってしまった…。(タクシードライバーは)観光の関係あると思って、人を乗せて送るんですよね。お客さんの「おもてなし」車だけでの「おもてなし」」

ゼロからのスタート、大きな環境の変化に最初は戸惑いもありました。

【ヒュー・キャーンさん】
「ガイドやっているときは最高だと思っていた。楽しかったけど、それも(コロナで)奪われてしまった。どうしようかという気持ち(変化に対応するのが)最初はちょっと大変だった…」

タクシードライバーになるまでにも大変な苦労がありました。

【ヒュー・キャーンさん】
「二種免許は正直11回受けた。90点取らないとダメでいつも86点、87点、88点…すっごい悔しくて。担当教官ももう少し頑張れって」

過去の苦労も笑いながら話してくれるキャンさん。今では、ガイドの経験も交えて楽しみながらお客を乗せています。

キャーンさん)元々広島の方ですか?
乗客)いや、違います。元々は神奈川です。
キャーンさん)あーそうですか。広島の紹介をするのは好きです。「三滝寺」ご存じですか?すごくいいところです。静かで落ち着いてるので。観光が盛んになると、たくさん人が行くと思う。

【ヒュー・キャーンさん】
「いろいろ話して、降りるときに楽しかったよと言ってくれて、また送ってくださいと言われることがあると嬉しいですよね」

いつも会社に戻るのは午後5時過ぎ、会社に戻ると、真っ先に売上の報告へ向かいます。

「すばらしい、最高記録だね!」
Q最高記録だったんですか?
「最高記録ですね、きょうは。やっぱり努力です」

キャーンさんのひたむきに働く姿に上司も太鼓判を押します。

【カープタクシー・小森親裕マネージャー】
「頑張ってますね。おっちょこちょいのところもありますけど。特に観光が強いので、キャンさんの場合は。おもてなしナンバーワンじゃないですかね」

キャーンさんには毎週訪れる自宅の近所のお好み焼き店があります。

「いつもの」
「ありがとう」

この店の店主のフェルナンド・ロペズさん。キャーンさんにとって、気の知れた存在です。

「最近なにあったとか?売上状況とか、商売どうか?とか」
「お互いに仕事どうですかとか?お客さんどうですかとか」
「僕にとっては1週間終わって、落ち着いて雑談したり、世間話して落ち着く場所」

〜お好み焼き食べて〜
「おいしいよ!うまい!」

大好物のお好み焼きと心強い仲間の支えが、キャーンさんの活力になっています。

【ヒュー・キャーンさん】
「彼の出身はグアテマラ、私はオーストラリアだけど、男同士の仲間ということ。友達というか、絆がある。お互いに(コロナを)乗り越えよう。いつか乗り越えるというね」

オーストラリアから広島へ、観光ガイドからタクシードライバーへ波乱万丈なキャンさんの人生、今後の目標とは…

【ヒュー・キャーンさん】
「観光がしたいですよね。広島のことを…広島のことだけじゃなくて西日本とか四国とか京都でも観光の案内がいい。タクシーと一緒につながって観光をやるといいかもしれない」

緊急事態宣言が明け、街には観光客が少しずつ戻ってきました。たった一人の外国人ドライバー、ヒュー・キャーンさんの挑戦はこれからも続きます。

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