広島ニュースTSS

問題集もプリントもタブレットの中に「デジタルで学びが変わる」加速するGIGAスクール構想 尾道北高校

9/14(火)  18:12 掲載

ライクマーケットでは新しい商品やサービス、その誕生した背景を探ります。今回取材したのは教育業界です。2年前、国が打ち出したGIGAスクール構想…学校に高速大容量のネットワークを整備し、1人1台のパソコンやタブレット端末を整備しようというもので、コロナ禍でそのスピードは加速しています。そんな中、県内の高校で、新しいサービスが始まっています。

高校の化学の授業中、先生が教壇で実験を行っていますが、生徒たちはなぜか手元のタブレットに集中。そこに映っているのは、今まさに目の前で行われている実験です。

【県立尾道北高校・坂本一磨先生】
「タブレット端末で撮ったものを生徒にデジタル配信できますので、わざわざ生徒前に来なくても見えやすい画を見ることができます」

高速ネットワークと1人1台のコンピュータ端末を整備し、創造性をはぐくむ『新しい学び』をめざす国のGIGAスクール構想。くしくもコロナ禍で、その動きは加速しています。

尾道市にある県立尾道北高校。ここでも、ギガスクール構想への環境整備が進んでいます。

【県立尾道北高校・坂本一磨先生】
「本校ではこのような普通教室、各ホームルーム教室にWi−Fiのアクセスポイントが設置してあります。で、さらに全部ホワイトボードに変わっていまして、このホワイトボードにプロジェクターで映像が写せるようになっています」

授業の課題として出す問題や生徒ひとりひとりの回答もクラス全員が、瞬時に共有することができます。

【県立尾道北高校・坂本一磨先生】
「プリント類は全部デジタル配信しますので、もうプリント刷るということが、ほとんどなくなりました。iPadを入れることで、生徒にいろんな学んだことをアウトプットする機会が増えたんじゃないかなと感じています。例えば、学んだ事を『1つのレポートにまとめて来なさい』って言った時に、ある生徒はこんな感じでデジタルのものを持ってきて綺麗にまとめてみたり、全部手書きでこんな風にまとめてみたりというような、創意工夫を凝らしながら、自分がどういうことを学んだのかとまとめる。アウトプットする機会が増えたかなと思います」

【尾道北高校1年生・松野悠大くん】
「今は化学の問題集をやっているんですけど、タブレットに問題が入っているのでそれをこうノートに解いてリブリーに残していく」

松野くんが勉強に使っていたデジタル教材、『リブリー』は問題集をデジタル化したアプリです。教科書の出版社などが発行する問題集、260冊以上を使うことができます。答えはノートに書いて自己採点します。さらにその過程を問題と結びつけて写真で残すことができるデジタルとアナログが融合したハイブリッドスタイルです。

【尾道北高校1年生・松野悠大くん】
「試験前とかに、ちょっと問題をたくさん解いて自分の苦手を見つけたいなっていう時に、その範囲の問題をどんどん解いていって、『あ、自分ここが苦手だなとか』あと前解いた時の写真も残しているので、前と同じ所を間違えてるとか。『前よりここは、解けるようになったな』とかを確認しながらしてます。後は、すぐに答えが出てくるので、答えの冊子を開いて見つけたりとかの時間も短縮できるので、そこだけで解ける問題数が増えてるなとは思います」

サービス開始4年で、リブリーは600校以上に導入されています。

啓林館は、小学校から高校までの教科書や問題集を作る出版社です。この会社は8年前、リブリーのプラットフォームに参加。今では、およそ100冊の問題集をデジタル教材として提供しています。

【啓林館新規事業部・佐藤圭悟部長】
「まずもって反対する人もいました。アプリ自体の発想はですね、すごく面白くて。紙とペンで学習するというスタイルは変えずに、デジタルで任せられるところ。これはデジタルに任せていくというハイブリッド感とか。コンテンツの良さを損なわない考えですとか、こういったところが非常に可能性を感じて、1回トライをしてみると」

このプラットフォームを開発したのが、リブリーの後藤CEOです。大学院在学中に起業、開発のきっかけは自身の経験でした。

【リブリー・後藤匠CEO】
「高校生の時に自分が欲しかったサービスっていうのを、そのまま作ってる感じなんですね。自分が模試で間違えた問題に似た問題を解きたいなと思った時に、その問題を探す手段がなかったですよ。世の中で誰も作れてないんだったら、じゃあもう自分が作るしかないと思った」

そんな発想から開発が始まったリブリーですが、問題集をデジタル化することで、生徒だけでなく出版社にも、メリットが生まれました。

【啓林館新規事業部・佐藤圭悟部長】
「デジタルで学習履歴が取れる。正答率が取れるということで、この正答率が弊社にとってはすごく大事で。これまでは先生方の感想みたいなものをベースに教材制作してたんですけれども。実際に使った生徒の正答率ですとか、簡単な問題だけど解けてないとかですね。逆に難しいけど、意外と解けてるというなものが数値化されるっていうのは、非常に大きなメリットだなと思っております」

【リブリー・後藤匠CEO】
「復習って大事だなって思いながらも、なかなか自分で何、復習すればいいかわからないっていう風になっちゃうんですけども。学習履歴のデータが溜まっていくことによって、リブリーはですね、『そろそろこの問題の復習した方がいいんじゃない』とか『君はここが苦手なんじゃない?』みたいな形で、問題のレコメンデーションを、子供たちの学習履歴に基づいてやってくれる。こういうテクノロジーを使った、学びの効率化。これが子供達のメリットになるか思っています」

デジタル教材のリブリーは、生徒が使うだけでなく、教える側の教師を支援する機能もあります。問題集から宿題を作ることができ、そのデータも簡単に生徒に配信できます。提出状況も一目瞭然です。

【県立尾道北高校・森信祐希教諭】
「生徒のノートとかを見ていると、感覚的には、『ここ、苦手なんだな』って感じるんですけど。数値で出てくるので、生徒の苦手も把握出来る。普通だったら生徒のノートは、すぐ返しちゃうので。ずっとデータとして残ってる。すぐにその問題が見られて、すぐに生徒の答案が見られて、『こう間違えるんか』っていうのが分かりやすい。いつでも分析しやすいっていうのが、ありがたいなって思います」

来年度には、リブリーのプラットフォームで複数の出版社がデジタル教科書を提供する予定で、教育の世界のデジタル化はさらに加速しそうです。

【リブリー後藤匠CEO】
「多分日本の教育が目指すべきは、知識習得がばんばん効率化できるお勉強ができる人たちをとにかく育てるっていうものじゃないと思うんですね。学ぶ楽しさであるとか、未来に対するワクワク感とかそういうものを学びを通じて感じられるような教育っていうものを僕らはテクノロジーを使って作っていかなければいけないなという風に感じています」

『デジタルの力でワクワクで学びを』

直近のニュース

全力応援!カープファームチャンネル

地域安全情報 広島県警察公式Facebook