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気象警報が出ると「学童保育」が休みに 保護者から疑問の声「子供の安全どう守る」

9/9(木)  19:05 掲載

今回は子どもの安全に関わる話題を取り上げます。先月、大雨が続き気象警報が連日発表されましたが、警報が出た場合、保育園は通常通り開園するところがほとんどです。
一方、小学校の学童保育は、県内多くの自治体では、学校の判断に準じていて、夏休みなどの長期休暇は、朝7時の時点で警報が一つでも出ていれば臨時休所となっています。警報が出る機会が増える中、これが、子供の安全を考える上でも疑問の声があがっています。

先月、大雨が続き、特別警報など、沢山の警報が発表される中、県内の学童保育では、くもりになった後も臨時休所が続き、3日間以上の休みとなったところが多くあり、保護者は対応に追われていました。

府中町の介護施設で働く宮崎さん。仕事をする傍らには、小学2年生の娘、桜子ちゃんの姿が。学童保育がお休みになり、預けられる人もおらず、職場に連れてきていたのです。

【小2の娘がいる母・宮崎天音さん】
「本当に困る。とりあえずお弁当を作っておいて行けるか行けないか分からないけど朝7時のメールを待つ。もう少し考えていただけたらなと」

天気が回復していても臨時休所のままということもあり、この日もすでに雨は降っておらず、避難勧告が出ている地域でもありません。

【小2の娘がいる母・宮崎天音さん】
「幸い会社が連れてきていいって言ってくれているので助かるんですけど、そうじゃない会社もあると思うし、やっぱり働くお母さん休んでいる人がたくさんいて私は恵まれているかなと思っています」

一方、こちらは、広島市南区に住むシングルファザーの花田さん。預け先がなく職場に休みをもらっていました。

「2年生と」「1年生です」

【2児のシングルファザー・花田夏希さん】
Q2人だけにするには不安が?
「不安ですね。職場のほうも、しょうがないことだから誰が悪いことでもないから大丈夫だよというのは言ってくれる。だからもっと大変な人は大変なのかな休むっていうのに」

広島県学童保育連絡協議会によると、警報が出た場合も預かりをしてほしいという要望はとても多く、先月の大雨の時も沢山の声が寄せられました。

「祖母です。3日間、代わりに預かったがもうへとへとなので開けてほしい」
「仕事を休んでいる、パート勤務なので収入が減り苦しい」
「一人で留守番させるしか方法がない。子供が心配だ」

実は、学童保育を所管するのは、文部科学省ではなく厚生労働省で、小学校低学年の扱いは保育所に準じるものとなっています。そのため、東京をはじめとする全国の自治体では、警報が出ても保育所と同様とし、通常通り開けているところもあります。

こうした実情に県内で一番学童保育の利用者が多い広島市教育委員会は?

【広島市教育委員会放課後対策課・橋本飛雄馬課長】
「保育園の場合は保護者が施設まで送り迎えするが、児童クラブの場合は、お子さんが歩いて行かれるというところがあるので、そこの道中が危険性があるということでこういう対応をさせていただいていますので、ある程度保育園の方との整合性というか並びも考えていかないといけないのは当然あると思う」

広島市では、共働き世帯の増加で学童への利用の申し込みは増えていて、今年度は1万2千人を超え、およそ5人に1人となっています。

【広島市教育委員会放課後対策課・橋本飛雄馬課長】
「それだけニーズが高いということなので、やはり臨時休所というのは少しでも少ない方が望ましいなとは思っています。ただ当然児童の安全面に関する事柄になりますので、そこは慎重に検討しないといけないかなというのはありますが、確かにこのたびかなりご意見も頂いているので検討はしていきたいと考えています」

一方、今の日本社会は子育てをしている人にとって、辛い目に合うことが多い「子育て罰」の国だと本にまとめた日本大学の末冨教授はこうした状況に警鐘を鳴らします。

【日本大学文理学部・末富芳教授】
「子供一人家において働かなきゃいけない保護者を増やしてしまうのはこれは自治体の子どもに対する責任の果たし方として適切なのかな?ということは思います。それから保護者のダメージも大きいと。心配だから家にいないといけないという時に、特に非正規雇用の方は職を失われるリスクが非常に高くなってしまうんですよね。不安におびながら暮らさなきゃいけないことをする、しなきゃいけない状態というのは子育て罰を与えられてしまっている状態なんです。一刻も早くなんとかしなければならないと思って、行政内の部局が連携することが大事なんじゃないかなと思うんですよね」

行政が変わらない中、新たな取り組みも始まっています。

【石井記者】
「こうした問題に職場をあげて取り組んでいるところがあります」

子供達が遊んでいるこの場所、託児所ではありません。ここは病院や介護事業所などを運営する医療法人の一室。そこに従業員が寄付した本やおもちゃがずらりと並びます。こちらでは、警報で学校や学童が休みになると職場で臨時の学童保育を開いているのです。子供の相手をするこの方は・・・普段は医療現場で働く放射線技師です。従業員有志が通常勤務扱いで見守り役をする、法人を上げた取り組みです。看護師や介護士など従業員に女性が多いこちら。きっかけは、働きやすい職場づくりのためにとったアンケートの声でした。

【医療法人ハートフルアマノハビリテーション病院放射線課・外川雅士課長】
「警報が出た時に仕事を休まないといけないので、仕事に支障があるし皆さんお子さんを集めていっぺんに見よう。お仕事をして頂いて患者さんとかに迷惑をかけないようにしようということで始まりました」

多い時には12人が利用する臨時の学童。急な警報に対応するためSNSを活用しています。

「あすも警報が続きそうです。ご希望の方が3名います」

登録している従業員の中から見守り役を募りシフトを組んでいるんです。利用しているお母さんは?

【看護師】
「職場が近いのですごく安心して預けられるというか子供のことも分かってもらえるかなというのはあります。主人の実家とか頼れないのでありがたいです」

【医療法人ハートフルアマノハビリテーション病院放射線課・外川雅士課長】
「安心して子供が預けられるので、しっかり仕事が継続できるという面ではプラスになっているのかなと思います。女性の職員さんもしっかり活躍できて働けるんじゃないかなと思っています」

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