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尾道を舞台 映画「逆光」主演兼監督に迫る ”光が作り出す色っぽい街” 広島発

7/22(木)  19:00 掲載

シネマカフェ・番外編です。今回は尾道を舞台に製作された映画『逆光』主演兼監督の須藤蓮さんに映画大好きな、衣笠梨代アナウンサーが迫ります。

映画のまち、尾道で撮影され、全国に先駆けてシネマ尾道で今月17日から上映が始まった映画『逆光』。1970年代の尾道を舞台に、主人公、晃と大学の先輩、吉岡とのひと夏を描いた物語です。
この映画は、主演した俳優・須藤蓮さんが製作した自主映画で、自らメガホンをとりました。

衣笠アナ:
初監督作品ということなんですが、どうして監督として映画を作ろうと思われたのか

須藤蓮さん
元々は僕が役者の実力があまりないからっていうのもあるんですけど、なかなか出たい作品に出る機会っていうのがすごい限られているんですよね。皆さんそうだと思うんですけど。こういう作品に出たいというのが、明確にあって、でもそういう作品になかなか日本で素直に役者してて巡り会えるんだろうかっていう自信がなくて。で、渡辺あやさんっていう脚本家さんのことを勝手に師匠みたいな感じで思ってるんですけど。最初は自分が出る作品を渡辺さんに書いて頂こうとういところから始まって、1本、脚本ができたんですけど、これを誰にとってもらうかっていう話になった時に、やっぱり、自分が作った本だったら自分で撮りたいと思って、だから監督をしようって志したのも、脚本が出来てからっていうぐらいで

衣笠アナ:
なかなかでも実際に作ってしまうのはすごいなと。共演された方、皆さんとの空気感というか、印象に残るその撮影現場でのシーンとか

須藤蓮さん:
でも、文江かな。文江ちゃんっていう女の子が出てくるんですけど、一番撮るのが難しいと思ってたんですけど、何ですかね。めちゃくちゃいいんですよね、とにかく。エンゼルケアっていう、看護師さんが(患者を)拭いてるシーンがあるんですけど、そこの芝居がちょっとすごくって。それはすごい印象的でしたね。
チームの雰囲気は良かったですね、みんなコロナで仕事がなくなってしまった若者たちが集結してるんで。『この映画でやってやるぞ』みたいなやっぱ気持ちは、ありました。大友さんだったりとか渡辺さんと仕事できる機会は、なかなか僕ら、若者には中々ないので。その機会を本当に大人の力借りて用意出来たっていうのは、僕としてもすごい嬉しいことだし。本当に画に写ってない部分まで輝きが見えて、それがすごく本当現場としてすごい現場でした

完成した映画は、タイトルの通り、「光と影」を際立たせるカメラワークが随所に散りばめられています。

衣笠アナ:
光とかそういったところもやっぱりこだわりはあります?

須藤蓮さん:
あります。光の差し込み方。で、たぶん編集しているんですね。光が一瞬ここで入ってこんな気分になるみたいな。光ってすごい気分を作るじゃないですか、朝起きて、太陽浴びるだけで気持ち良かったりするみたいな。音楽の大友良英さんも、『何に音楽つけたんですか』って聞かれて『光につけた』っておっしゃってて。カメラマンもやっぱり『何を切り取ろうとしてたんですか』『光だなー』っていう話をずっと2人でしてたんで。その光が入るタイミング。時間とかはずっと計算してました。『西日がここでこの時、こう入るから、こっちから映像撮った方が一番きれいに見える』みたいな。なるべくもちろん、自主映画なのでお金もないので、光がどうを美しく撮れるかが映画のクオリティに携わるっていうか

衣笠アナ:
タイトルにはどういうところを込められて?
須藤蓮さん:
あれは渡辺あやさんがお家を掃除してたら思いついたっていう
衣笠アナ:
そうなんですか?

須藤蓮さん:
『掃除してたら“逆光”っていうタイトルを思いついたんだけど、どう?』って送られてきて。見て、『うーん、なるほど。とりあえずこれで出発しますか』というところからいったんで。今、納得しているのは、人物って光の当て方でどんどん魅力が変わるものだなと思っていて。人も景色も。それこそ僕、最初のロケハンの日が雨だったんですよ、尾道。今日みたいな雨で。で、雨の日にカメラマンとロケハンをしてた時に、1つのロケーションも決まらなくて大喧嘩になったんですよ。『あれ?尾道で撮れる所、ないじゃん』ってなって。次の日、晴れたら、全部撮れるロケーションに見えたりするんですよ。それぐらい光が作り出す物って特に尾道ってそうなんですよ。光にすごい左右される町って言うか。あとこれ面白いのは尾道はどこでとっても『逆光』になるんですよ。
実は尾道っていう街は、これ尾道の写真屋さんから聞いたんですけど、尾道のいいロケーションをいい場所から撮ろうとすると、尾道の山手側から海側を撮ろうとすると、日照時間が絶対に逆光になるっていう町なんですって。
そういうの聞いていると『あー、だから“逆光”ってつけたんだなー』っていう気がするぐらいで

須藤さん曰く、光に左右される街、尾道。商店街は、須藤さんたちのプロモーション活動の甲斐あってポスターやチラシがあふれています。
須藤さんが尾道にひかれた訳…それを『色っぽさ』という言葉で説明してくれました。実に映画監督らしい表現です。

須藤蓮さん:
今ふっと思ったのは、なんか『分類できないもの』って色っぽいんですよ。都会によくあるおしゃれなカフェって色っぽさは僕的にはないんですよ。でもなんか、余白って色っぽさだと思うんですよ。今回は吉岡っていうキャラクターを作ってる時に、色っぽさを出すのにすごく注意したのが、セリフの間合いだったりするんですよ。言葉が出てくる溜めの間とか。
そういう場合とか余白とかあと何だろう、何かが起きそうな感じとか、そういう何かはっきり言えないのが申し訳ないんですけど、そのはっきり言えなさが色っぽさなんですよね。
完成されきったブランドもので固めた都会の女子とかよりなんかわかんないけど、少し抜けがあったほうが色っぽかったりとか。そういう街自体にも、これはもう感じるものなんで色気って、言語化できないから色気だと思うので。何とも言えないんですけど。でもね、これは映画で撮ってるかって言われたらあれなんですけど、夜風が色っぽいです尾道は

夏の夜風が、生暖かい風が肌に当たるんですよ。その色っぽさってあるじゃないですか。
なんかこう、感情を想起させるって、ちょっとときめくっていうか。一緒にいる人が。
なんか多分そういう気分みたいなのを映像化したかったんですよね。夏の夜の蒸し暑いんだけど、嫌じゃない感じとか。ちょっとドキドキする感じとか、そういう空気がすごいあるんですよね。尾道には。何かごめんなさい。分かり辛くて

夜風にあたって初めてなんかこう、この色っぽさって体に染み込んでくるって言うか。そういうものをたぶん撮ってました

監督の須藤さんを中心に20代30代の若い俳優とクリエイターで作った、映画「逆光」。
ロケ地の尾道で封切られ、全国へと広がっていきます。

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