子育てアドバイス

親子で話しておきたい いざという時の避難場所

 今年、災害に見舞われてしまった広島。「広島は大丈夫」「自分は大丈夫」と思っていた方でも大自然の威力を身近に感じたのではないでしょうか。
 そこで今回は、家族で確認しておきたい防災のお話です。今一度、非常時の備蓄や避難場所を家族で確認しておきましょう。お話をお聞きしたのは防災士の横山ゆかりさん。ご自身の被災体験から防災に関する啓蒙活動に力を入れていらっしゃいます。


ハザードマップ、把握していますか?
 広島県のホームページでは「土砂災害」「洪水」「高潮」「津波」「地震」に分けて、それぞれハザードマップを公開しています。
 まだチェックしていないという方は、家の近所や子どもの通う小学校や幼稚園近辺について確認してみましょう。

【広島県ハザードマップ】

 最近はスマホからでも避難所やAEDの設置場所などが確認できる『わが家の防災ナビ』(https://tokusuru-bosai.jp/app.html 日本気象協会)のような便利なアプリがあります。家族の人数を入れると食料などの必要備蓄量を自動計算できる機能もついています。

 NTTからはタウンぺージの別冊として『防災タウンぺージ』が配布されています。この冊子には災害への備えや心構えなどが書かれています。


左はアプリ『防災ナビ』画面、右が『防災タウンぺージ』。

地域の清掃活動にも積極的に参加しよう
 『内水氾濫(ないすいはんらん)』という言葉を聞いたことはありますか?
横山さんによると、川の近くでなくても大雨が降れば浸水の可能性があるそうです。
 秋になると落葉し、側溝に落ち葉が詰まることがあります。川から遠い住宅地でも側溝が詰まり排水できなくなると浸水の危険性が高まります。
 町内会によっては一斉清掃の日が設けられていることがありますが、これは美化活動であると同時に街の防災活動の一つとしても機能しているのですね。

 それぞれの地域には避難場所が設定されています。いざという時は地域の人と声を掛けあったり協力したりすることが精神的にも大きな助けとなります。


自分の町を知っておこう
 子どもの通学路は、毎年春、学校に提出するので把握されているでしょう。しかし、いつも車でしか通っていなければ、知っているつもりの道でも子どもの見ている風景とは異なるかも知れません。晴れた日には気にも留めなかった側溝が、雨の日には脅威となることもあります。

 また、子どもの成長と共に活動範囲が広がることも忘れてはいけません。遠くの友達の家に自転車で遊びに行ったり、習い事や塾などに通ったりする場合にはどの道を通るのか、子どもと話し合っておくことも大切です。


もしもの時に家族とつながる方法を確認しておこう
「もしもの時に使える『災害用伝言サービス』がありますので、一度試しておくといいですね」(横山さん)

 災害時、家族と連絡が取れなくなったら、と思うととても不安です。NTTの災害用伝言は、音声メッセージを録音、再生できるサービスです。
 使い方は簡単です。電話、携帯電話、スマートフォンから『171』をダイヤルし、利用ガイダンスに従って伝言の録音、再生を行います。
「番号は、イナイ(1・7・1)と覚えます」(横山さん)
 平常時には毎月1日と15日に体験(※)できますので、家族で使い方を確認しておくと良いでしょう。
 ※毎月1日、15日の他、正月三が日、「防災週間」、「防災とボランティア週間」にも体験できます。

携帯電話各社も災害用伝言版サービスや同居の家族以外にも祖父母や親戚の連絡先や手段について確認しておくことが非常時には大きな安心材料になります。


防災グッズ、どんなものを準備したらいい?
「一式をセットにした防災用品も販売されていますよ」(横山さん)
そう言って見せていただいたのが広島市内の小売店で厳選して購入した防災リュックの中身。

 家族構成や人数、それぞれの年齢や事情によって必要なものは異なります。写真に幼児用のオムツが入っているのは、幼児を連れての避難を前提としているため。大人の女性がいれば生理用品も備えておくと良いでしょう。
 また、水が使えないとき重宝するウエットティッシュは是非とも備えておきたいもの。子どもはどこでも触るため手が汚れやすく、避難生活ではウエットティッシュが必需品だったと横山さんは振り返ります。

使いながら備蓄する『ローリングストック』がお勧め
 災害時の備えのために食料を備蓄していても、肝心なときに消費期限が切れていては意味がありません。そこで、普段でも利用できる缶詰めやレトルト食品などを一定量ずつストックしておき、古いものは消費しながら新しいものと入れ変えていく『ローリングストック』が推奨されています。食料以外のものは買いだめした余剰品を防災用品としてストックすれば無駄がありません。
非常用食料としても役立つ缶詰めを上手に活用して。

《防災士・横山さんが勧めるあると便利な防災関連品》
 ・丈夫なゴミ袋(90リットル)…敷物や大型カバーとしても使用できる
 ・カイロ …冬場の避難には持っておきたい
 ・ラバー手袋(ゴム手袋でも代用可能)…布の軍手では水濡れしてしまうためゴム製がお勧め
 ・マスク …粉塵予防・衛生のためにも持っておきたい
 ・モバイルバッテリー …スマホなどの通信手段を確保しておきたい
 ・水 …2リットルのペットボトルより小分けにできる500ミリリットル数本が便利
 ・缶詰めやレトルト、アルファ化米(水を入れるだけでご飯ができるもの)もあると安心
 ・家族にアレルギーなどの持病がある場合には専用の食べ物や常備薬を …災害発生後の避難生活ではすぐに入手することは困難です。

「普段の生活の中で少し余分に買ってあるラップやアルミホイルなどを防災グッズとして活用するのがオススメです。最近は百円ショップに便利なものがあるので、うまく活用されたらよいと思います」(横山さん)


横山さんの被災体験より
 横山さんが土砂災害に見舞われた際、自宅の1階には土砂が流入して、いざ避難しようとしても履く靴がなくなり困ったそうです。避難用の履物や予備のメガネ、衛生用品や常備薬などをまとめておくべきだったと反省したそうです。
 「普段から避難の準備をある程度していたものの、それらを一カ所にまとめていなかったので避難に手間取ってしまいました」(横山さん)

 さらに、横山さんは非常時には治安が悪くなる点も挙げます。自治会に加入するなどして、日頃から近所の方々と交流しておけば見慣れない人にも気付きやすく、防犯対策にもなります。

 豊かな自然に囲まれた私たちの郷土、広島。安心して暮らし続けたいからこそ、日頃の備えが大切であることを再確認します。

横山 ゆかりさん
広島全日空ホテル宿泊部フロント勤務時、防災宿泊研修課程修了。
2014年8月20日、広島豪雨土砂災害にて被災。被災経験を機に世代を超えての防災教育の必要を感じ、広島県自主防災アドバイザーの資格を取得。
2018年度 広島市防災士養成講座にて「防災士」資格取得。

「子連れ避難のポイント」「子供とママのための備え」「わが子を災害から守る」「子連れ避難体験」「乳幼児の保護者として災害時に取るべき行動について」 等の講演多数。

現在はNPO法人ひろしまNPOセンターの職員として子育て支援事業・産後ママの憩いの場ばあばのおうち勤務。『そなえて、げんさい教室』というママとお子さんと一緒に学ぶ防災教室を実施している。

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