子育てアドバイス

有意義な夏休みにするポイント

質問 自由時間たっぷりの夏休み、どう過ごさせたらいい?
答えてくれたのは、放課後児童館「さくらんぼ」主宰の池尻まゆみさん

 約40日間もある夏休み。これをどう過ごしたかによって、子どもの身体、学力の成長が大きく変わるといわれています。子どもの“伸び期”となる夏休みを有意義なものにするために、親の心構えと注意点について聞きました。
時間管理能力を身に付けるチャンス
 楽しい夏休みには、宿題のようにしなければならないことが後回しになりがちですが、宿題は子どもと先生が交わした約束。その約束を守るには、子ども自身が時間を管理しながら進めていかなければ宿題は終わりません。この経験が、大人になってからの責任感に左右してきます。
 子どもが約束を守ろうと頑張っているなら、親も時間を守って行動していることを見せましょう。お迎えや食事の時間など、時間をきちんと守っていますか。夏休みは、親自身の生活を振り返るよい機会にもなります。
 自ら進んで宿題をする子もしない子も、やり始めてもすぐに遊んでしまう子もいます。1人ずつペースが違うし、日によっても違います。私は、しない子がいるとそばに座って「一緒にしようね」と声を掛けます。隣で書き物をしている私を見て、子どもも自然と宿題をし始めます。また、何時から始めるのかを子どもに決めさせます。子どもに決定権を与えることで、約束事を守る気持ちを強めます。宿題を始めてもすぐに飽きて遊んでしまう子には、時間を計って集中力を高めます。
どの子にも伸び期がある!
 宿題をしながら、「今日は○○をしたい」「もうちょっと頑張ろうかな」。そんな言葉が聞けたら、心、体、頭の“伸び期”の到来です。伸び期がやってくるタイミングは子どもによって違いますが、どの子にもあるもの。気分がのっている時こそ、成長の幅はぐ~んと広くなります。子どもと触れ合う時間が多い夏休みは、伸び期の到来に気付き、伸ばしてやれるチャンスです。できたことをほめて、大きな成長につなげてあげましょう。
 褒めるときは「すごいね」「やったね」とワンフレーズで。褒め言葉は一言で十分、子どもはもう「次は何をしようかな」と関心が移っています。「たまたま、できたんでしょ」「次はダメなんじゃない?」といった思い込みによるマイナスな発言はやめましょう。注意する場合も「いつするの?」「集中してね」と一言で。注意したいことをいくつも盛り込むと大事なことがぼやけてしまい、分かりにくくなります。
言葉は人生の財産、豊かな言語環境を
 学校がある毎日とは違う刺激がある夏休みは、新しい言葉に触れるチャンスもたくさんあります。言葉は自分の気持ちを相手に伝える手段。言葉をたくさん知っていることは、豊かな人生を保証します。ところが昔の子どもと比べて現代の子どもたちの語彙数は半分、または3分の1といわれています。
 語彙力は普段の言語環境が大きく影響します。しかし忙しい時は、親が一方的に話しかけてしまうことが多く、子どもは「うん」「わかった」など同じ言葉の繰り返しになりがち。夏休みには少し気持ちにゆとりをもって、できるだけたくさんの言葉に触れさせてあげましょう。その具体的な方法は下表のとおりです。
 一度習得した言葉は頭から一生消えません。ですから、子どもが初めて口にした言葉には敏感に反応して、成長の証として褒めてやってください。
夏休みのルールをきちんと決める
 高学年になると、一人で留守番をする子も多くなります。自由になった子どもが、親の知らないところで友達の家やご近所に朝早くから夜遅くまでいりびたっていることもあるようです。相手の保護者は遠慮して何も言えず、ストレスを抱えているという状況もよく聞きます。
 高学年といえば好奇心旺盛で、してはいけないと分かっていてもちょっと悪いことにあこがれる年ごろです。他人に迷惑をかけないように、うっかり犯罪に巻き込まれないようにするために、夏休みの過ごし方のルールを親子でしっかり話し合っておきましょう。遊びに出てもいい時刻、戻る時刻、大人がいない家には勝手に入ってはいけないことなどを、紙に書くなどして明確にしておきます。ルールはなるべくシンプルに、あれこれ付け足して複雑にしないことが守らせるポイントです。
 普段よりも子どもの様子を長くみることがきる夏休みは、長所を伸ばし、短所を見直すチャンスです。子どもたちとゆっくり向き合って、夏休み前後の成長を楽しんでくださいね。
放課後児童館さくらんぼ
主宰 池尻まゆみさん
東広島市・竹原市・三次市で、教諭・教頭・校長を歴任。
放課後児童館さくらんぼ(東広島市)を拠点に、放課後児童の預かりや学力補充指導、不登校支援などにあたる。いじめの問題、学校や担任への悩みなど、教育現場の経験を活かして保護者の悩みにも対応。
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