健康基礎知識

【素朴な疑問シリーズ】Q.手足口病って、手と足と口がどうなるの?


●「手足口病」とは?

◆「手足口病」は、その名が示す通り、手・足・口の中に、水疱性の発疹を認める病気です。発疹は、手のひら・手の甲・指の間・足の裏・足の甲・口腔粘膜に見られ、下腿・膝関節・臀部(おしりの周り)にも出現します。

◆口の中の水疱は、しばしば潰瘍を伴い、痛みがあるので飲水や食事ができない場合があります。手のひらや足の裏にできる発疹は、水疱となりますが、かゆみは伴いません。これらの症状は、発熱後1~2日で認めます。

◆「手足口病」は、通常軽症ですが、「無菌性髄膜炎」「脳炎」「ポリオ様麻痺」「ギランバレー症候群」などを引き起こすこともあります。

◆また、「手足口病」の罹患後1~2か月後に、爪の脱落(爪甲脱落症)が起こることがありますが、変形を残さずに治癒します。

◆「ヘルパンギーナ」「咽頭結膜熱(プール熱)」とともに、夏風邪の代表的な疾患で、夏場に流行します。


 



●原因ウイルスは?

◆「エンテロウイルス」が原因といわれています。“エンテロ”とは「腸管」の意で、腸管で増えるウイルスです。

◆一般的な感染経路は、糞口感染(感染者の糞便が手指を介して経口摂取されることで感染する)や、飛沫感染(ウイルスが咳などで飛び出し、約1mの範囲で感染する)です。

 


●感染した時の注意点は?

◆「手足口病」の原因となる「エンテロウイルス」は、オムツを触った後などの手指を介した糞口感染、あるいは飛沫感染で腸管に入り、増殖します。

◆症状がなくなった患者の便からも2~4週間にわたりウイルスが排泄されるため、特にオムツ交換時には十分な注意が必要です。ウイルスはアルコールに耐性があるため、オムツ交換後は手洗いをしっかり行いましょう。

◆ウイルスの型が違う場合は、一度罹患しても再度「手足口病」にかかることがありますが、「手足口病」は子どもの病気なので大人に感染することはほとんどありません。妊娠中に罹患した場合でも、胎児への影響はありません。しかし、新生児に罹患した場合は重症化する場合があり、注意が必要です。

 

■無菌性髄膜炎
「手足口病」と診断され、頭痛・嘔吐などがある時には、「エンテロウイルス」による「無菌性髄膜炎」を疑います。持続する場合は、医療機関を受診しましょう。

■熱性けいれん
夏場の「熱性けいれん」は、「エンテロウイルス」が関連しています。



●治療法は?

◆「手足口病」の特効薬や特別な治療法はありませんが、その多くは自然治癒する予後の良い疾患であり、発熱・頭痛・口の潰瘍の痛み等の症状に対する対症療法になります。

◆のどの痛みが強い場合は、水分摂取が不良になります。経口補水液などを用いて少量ずつ水分を摂取させます。水分が取れないお子さんの場合は、点滴が必要になることがあります。

 

●登校はいつから?

「インフルエンザ」や「プール熱」のように、
出席停止の基準が定められているわけではありません。
基本的には熱が下がり、食事が取れれば、登校は可能です。
高橋志保(たかはし・しほ)先生
<span style="color:#FF0000;font-size:1.125em;font-weight:bold;">JA尾道総合病院 
小児科副部長</span>
◆日本小児科学会 
 小児科専門医

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