健康基礎知識

すぐ風邪をひく我が子。免疫力を高めるには?

子どもは大人よりも免疫力や抵抗力が弱く、 風邪をひきやすいといわれています。これからの季節、とくに風邪やインフルエンザにかかりやすくなりますね。そこで、小児科医の西村真一郎先生にお話しを伺いました。

 まず、「風邪」についてですが、実は風邪という病名(医学用語)はなく、ウイルスによる上気道感染症の総称として一般的に呼ばれています。通常、風邪の症状は鼻粘膜や咽頭粘膜の軽い乾燥や不快感、くしゃみ、多量の水様の鼻水です。
風邪とは?
・ウイルス性上気道炎の総称で原因となるウイルスは100種類以上
・大人が年2~3回、小児は少なくとも年5~6回はひくもの。
 喘鳴(ぜんめい)を繰り返す子の中にアレルギー体質が関係することもあり、中には他の病気が潜んでいることもあります。
何らかの病原体が体に侵入してきて、体にダメージを与える「感染」が起こります。体力があれば感染する恐れは少なくなりますし、もし感染したとしてもこじれにくくなります。しかしながら抵抗力が落ちている場合は、「感染」する確率が高くなります。

では、「免疫」とはどんなものなのでしょうか?
 免疫とは自分の体に何らかの異物(病原体など)が進入してきた時に、それを察知して、排除してくれるものです。免疫力にはさまざまな役割がありますが、基本的には以下のとおり2つに分かれます。
 ①自然免疫…皮膚、粘膜・腸管細菌などのバリアーや酵素、マクロファージなどの一次防御
 風邪やがん細胞などに対して非特異的な免疫な作用をします。
 ②獲得免疫…リンパ球、免疫グロブリン
 はしか、水ぼうそうやおたふく風邪など、個々の病気に対して免疫を発揮するものです。予防接種(ワクチン接種)などはこれにあたり、「獲得免疫」により、これらの病気から特異的に防御してくれています。
 これらをざっくりと含めて「抵抗力」「免疫力」と一般的にいわれていますが、医学用語では、私たちは「免疫能」と呼んでいます。
 これまでにも風邪をひきにくい体を作る、免疫力をアップする方法として下記のようなことがいわれてきました。
①普段から3食しっかり食べる。
 魚&野菜中心(好き嫌い厳禁)
 水分補給は水&茶(ジュースや糖分の多いものは却下)
 発酵食品など腸内環境は日ごろから整えておく。
②よく遊び、体をしっかり動かすこと
③生活リズムは規則正しく、よく寝ること
④必要以上に厚着をさせないこと。薄着&真冬でも室内は裸足
⑤高熱(38℃以上)がない限り、薬に頼らない
 この他にも「ビタミンCを摂取したら風邪に効く」などといわれますが、確実に風邪を予防する、「免疫力を上げる」方法は確立されていません。

 わが子が風邪などひいてしまうと、親としては心配するのが当たり前ですね。しかしいくら注意していても、保育所・幼稚園や小学校など、集団生活の場で長い時間を過ごす子ども達を100%病気から守ることは難しいのです。子どもが熱を出したり、下痢をしたりする事で、免疫力を高めていく事に繋がるのです。要するに風邪に対する抵抗力はかかって強くするしかないのです。病気になって欲しくないばかりに、極端に病原体の排除をし過ぎてしまうと、お子さんが病原体から自分の体を守っていく抵抗力を弱めてしまう可能性に繋がってしまいます。特別な方法はありません。重い病気にかからないために、予防接種をきちんと受け、お子さんが風邪などひかれても、あまり神経質にならず、免疫力を高めていると考えて、長い目で見守ってあげましょう。
西村 真一郎(にしむら・しんいちろう)
医療法人 西村小児科 理事長 日本小児科学会小児科専門医。
西村小児科
広島市安佐南区伴東5-19-23
(電話)082-849-6030
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