健康基礎知識

子どもの肥満、要注意!

かつて成人病と呼ばれていた「生活習慣病」ですが、今、子どもたちに生活習慣病、あるいはその予備軍が増えています。そこで対策について、医療法人緑風会ほうゆう病院管理栄養士・徳澤陽子先生からアドバイスをいただきました。
 最近の子どもたちの食生活は、とても気になる傾向にあります。
 一般的に成人の肥満の目安として、BMIという指標を使うことが多いと思います。BMIは身長と体重から、計算式「体重Kg÷身長m÷身長m」にあてはめて、18.5以上~25未満が標準とされています。
 子どもの場合は、カウプ指数(主に乳幼児)、ローレル指数(学童期、思春期)を用います。
 ローレル指数の計算式は「体重Kg÷身長cmの3乗×10の7乗」で求めます。100以下がやせ過ぎ、101~115がやせ気味、116~145が標準、146~159が太り気味、160以上が太り過ぎとなります。
 例えば、小学1年生で身長110cm体重20Kgのお子さんは、計算式にあてはめると150。太り気味ということになります。
 計算式にあてはめるのが大変ならば、だいたいの目安として腹囲が80cmを超えていると、内臓脂肪が増えている可能性があります。

小児メタボリックシンドロームとは?
 メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪の蓄積により糖代謝異常、脂質代謝異常、高血圧を重複して持っている状態(疾患ではなく、あくまでも状態)です。これらは成人の現象として考えられがちですが、実は小児でも起こり得るものです。
 現状では、実際に日本人小学生(6歳~11歳)の17.7%がメタボリックシンドロームで、肥満予備軍は8.7%と言われています。
 また、小児の高度肥満はすでに幼児期から発生していると言われています。小児肥満はかなりの高率で成人肥満へと移行します。そのため、幼児期からの肥満対策が必要となってきます。基本的には、食事と運動が大きなポイントです。

陽子先生が教える!小児肥満を防ぐポイント
<1> おやつの取り方
 成長期の子どもにとって、おやつは身体的にも精神的に大切な役割を持っています。でも、肥満傾向にある子どもにとって、おやつは量、時間など、いくつか注意しなければならないポイントがあります。
 まず、時間帯については、血糖値の急激な上昇を避けるためにも食事前や食後すぐは避けた方が良いでしょう。
 また、砂糖(ショ糖)は血糖値を急激に上昇させます。できれば市販のスナック菓子より、ヨーグルトや果物などの方がおやつとしては望ましいでしょう。
 手軽なペットボトルも持ち歩いているのをよく見かけますが、甘い果汁飲料などをお茶代わりに摂取することは、栄養上問題があります。まず、砂糖の過剰摂取につながるもの。ではスポーツ飲料ならいいだろうと言われる方もいらっしゃいますが、これらにも相当な炭水化物が入っています。真夏に汗をかいた後の摂取ならともかく、お茶代わりの飲料は避けるべきでしょう。
 カロリーを抑えたペットボトル飲料も多く見かけますが、甘いものを日常的に口にすることは問題があります。砂糖には依存性があり、ペットボトル症候群などはその典型的な例です。数字だけでは割り切れないところが人体の神秘でもあり、今後の研究課題でもあります。
<2> 運動について
 摂取したカロリーを消費させるためにも、また基礎代謝(安静時でも消費されるエネルギー)を上げるためにも、食べたらしっかり身体を動かす必要があります。屋外遊びも良いのですが、私はお手伝いをお勧めしています。
 食事の後のお茶碗の片づけや、掃除を一緒にしたりなど、子どもを褒めながら行なうことで子どものモチベーションも上がりますし、親子のコミュニケーションも図れます。それがカロリー消費にもつながるなら、一石二鳥ですよね。

<3> 睡眠
 最近の子どもは夜更かしが多いと聞きます。夜中じゅう起きていると、カロリーを消費しているように思われますが、実はその逆。肥満傾向にある人は、夜寝ていない傾向があります。
 22時~2時ぐらいまでの間には、成長ホルモンが出る時間帯です。成長ホルモンはタンパク質を材料として作られますが、このホルモンがしっかり出る方が、骨や筋肉が出来上がり、結局、食べても太りにくい身体になります。また、精神の安定に欠かせないホルモンも、深い睡眠時に出るため、子どもの心の安定にも、たっぷりの睡眠は必要なのです。
医療法人緑風会ほうゆう病院管理栄養士・徳澤陽子
管理栄養士・NR・広島県栄養士会会員・特定保健指導者・広島県社会保険協会・中国新聞文化センター講師
病院管理栄養士として従事するかたわら、地域社会の健康支援活動を積極的に展開中。
主な講演は「賢いサプリメントの摂り方」「貝原益軒に学ぶ、養生訓」
※NR(独立行政法人国立健康栄養研究所認定サプリメントアドバイザー)
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