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ポイントは越境EC 広島と大連を結ぶ新ビジネスに迫る

10/3(木)  20:20 掲載

中国の都市・大連。広島空港からも直行便が運航していてわずか2時間、国内に旅行するのとほとんど変わらない時間で訪れることができます。この大連を舞台に今始まろうとするネットショッピングを利用した新たなビジネスを取材しました。

9月中旬、広島の観光地でロケを行うグループがいた。
彼らは中国北東の都市大連のテレビ局のスタッフ、今回広島の魅力を中国に伝える番組を制作するため来日したという。
広島に滞在中の数日間宮島や平和公園など様々な場所で撮影を行ったが彼らが取材をしたのは観光地だけではない。
この日は広島市東区にある化粧品会社で取材を行っていた。会社の中で彼らが注目したのは中国ではまだ珍しいという社内の託児施設。働く女性をサポートする進んだ環境づくりに感心したようだった。今回このように中国のテレビ局が広島を取り上げたのは9月末に大連で日本企業の商品を紹介する大規模な展覧会が控えていたからだ。
今回の展覧会の大きなポイントは「越境EC」という。
一般的に越境ECとは国を超えて行われるインターネットの通信販売のことだ。
その特徴は商品の安さにある。
一般貿易では輸入品に関税や消費税などが上乗せされ中国では日本の国内価格よりもおよそ2倍から3倍の価格になる。
一方、越境ECでは関税が免除される上消費税など他の税に関しても通常より軽減されるため、国内価格のおよそ1.7倍で販売ができる。
また越境ECでは規制が緩和されこれまで一般貿易では輸出が難しかった化粧品や健康食品などもネットショップ上で販売することができる。
今回始動したのは大連を中心とした中国東北部にターゲットを絞った越境EC「エディモール」だ。
地域を絞ることで他の越境ECよりもさらに安く日本国内の1.2倍の価格での販売を目指す。
大連のテレビ局の取材を受けたこの化粧品会社も新たな越境ECでの中国進出を目指し大連での展覧会へ出展することを決めていた。
これまで化粧品の輸出が難しかった中国への挑戦には大きな期待感がのぞく。
【広島の化粧品会社:メディカルスノウ・村川薫社長】
「中国も経済が豊かになってきているのでかなり質にこだわってきている。価値観と言いますか、それが非常に変わってきたと思いますここ数年で。そんな中で今回の越境ECの取り組みを聞きまして元々自分たちが自信を持っていた化粧品であったり海外でも進出させたいという思いがありチャレンジした」
そもそも、何故大連にスポットを当てた越境ECが始まるのか。
人口およそ600万人のこの都市には日本企業がおよそ1550社進出している。
上海、バンコクに次いで世界で3番目に日本企業が多い都市なのだ。
日本語を話せる人も多くとても親日的な都市として知られている。
また経済面も年々発展し、労働者の平均月給はおよそ10万2千円、過去5年間でおよそ3万円上昇している。総資産が9000万円を超える人は2万人以上と富裕層も多く市場としても魅力ある都市なのだ。
そんな越境ECが始まるとあって日本企業だけでなく中国側からも大きな関心と期待をもって行われた今回の展覧会、会場を訪れてみると…
【古賀記者】
「こちらの会場で開かれている日本企業の展覧会大変多くの中国人で賑わっています。
日本商品の人気ぶりが伺えます」
会場には日本全国から集まったおよそ350社の企業のブースが出展。
衣服や日用品、食品などさまざまな商品が並びどのブースも来場客の関心を集めていた。
【来場した中国人は】
「毎年商品展に来ている。会場で色んな商品を体験したり買ったりしてとても良いと感じている」
「中国にあまりないもの、日本人だけあるものがあります」
「日本のものは添加剤が少なくてより健康的だと思う」
この展覧会、広島県内からは今回10社が出展。
こちらは呉市で製造された塩を取り扱う企業。
中国国内で流通する安価な塩と比べると少し値が張るブランド塩、それでもブースを訪れる中国人は絶えることがない。
【広島の藻塩を販売:朋和商事広島営業所・吉田康伸営業課長】
「しっかりと商品を説明していただいて味見をしてもらうことによってこれ美味しいねって形で値段は高いけど買っていただける方が多かった。そういう塩を求めている、高いものではなくいいもの日本の商品の良いものを求めているお客さんが非常に多いのかなという手ごたえは掴むことができた」
大連テレビ局の取材を受けていた化粧品会社のブースもたくさんの中国人で賑わった。
直に肌に触れるものだからこそより安心できる商品を、というのは中国人も同じ。
ブースを訪れた人の中には早速ネットショッピングサイトで同じ商品を調べ購入している人もいた。
【広島の化粧品会社:メディカルスノウ・村川薫社長】
「ぜひ大連でお店を持ちたいなってくらい反響がありますので、今回のイベントをきっかけにまたちょくちょく大連に来て宣伝をしていきたいと思っています」
今回の日本商品展覧会、3日間の来場者数はのべ10万6千人に上った。
これは去年の1.5倍以上の数で越境ECによって日本企業の商品を手に入れやすくなった今、中国人の日本への関心の高まりが伺える。
中国進出へのハードルをグンと下げてくれるこの越境EC、広島の優秀な中小企業がグローバル化する、もしくは広島と大連の距離をさらに縮める起爆剤となるかもしれない。

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