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障害児の発達支える施設の高いニーズ

9/18(火)  20:00 掲載

障害のある子どもたちの発達を支援する施設が先月、新たに広島市にオープンしました。
学校や家庭以外で子どもたちの成長を支える施設の取り組みと現状を取材しました。

7月、広島市南区である打ち合わせが行われていました。
ここに作ろうとしているのは障害のある子どもたちが様々な力を身に着けられる場所です。
自身も発達障害の娘がいる森川敦子さん。
オープンに向けた準備を進めています。

【「奏音」森川敦子代表】「子どもたちが決まった遊具で決まった遊び方ではなくて、自分で遊びを考えていく、そういう場所を作っていきたいと思いますので」

去年オープンした発達支援ルーム「しどれ」。
ここでは「じっとしていられない」「思うように体が動かせない」など、様々な障害のある子どもたちが療育を受けています。
施設を利用する松尾さん。娘の来望ちゃんは現在2歳です。

【松尾さん】「本当だったらこの月齢で寝返えりができているとか、歩けているっていうときにそれができていなくて、1歳になっても歩くことができなかったのでそういう風に他の子よりも発達がゆっくりってわかった時にはどうしようっていう気持ちで私も主人も不安でいっぱいだったんですけれども」「私も一緒に来て先生とのやりとりを見させてもらったり、私もちょっと入ったりして、そういう様子が見られるのですごくいいですね」

「作業療法士」や「言語聴覚士」など専門知識を持ったスタッフが一人ひとりに合わせ発達を促します。

【森川代表】「たとえばこのロープなんですけれど、ロープを手で持つと小指の方の力を小指の方側にしっかり力を入れますので、これがお箸を持つ力とかスプーンを持つとか、そういった土台を作る要素になってきますので」

取り入れているのは「感覚統合療法」能動的な遊びを通して様々な感覚の偏りを少なくし、頭の中で情報を整理して行動ができるようにしていきます。
去年オープンしたこちらの施設ではすぐに利用希望者が定員を超えました。
施設が増えている背景には利用者のニーズの高まりがあります。
広島市内でも「児童発達支援」や「放課後デイサービス」などの施設を利用する子どもの数は年々増え、「発達障害」についての診療も10年間でおよそ1.6倍となり過去最多となっています。
そんな中で施設の整備が追いついていない現状があります。
専門家は。

【安田女子大学心理学部・船津守久教授】「残念ながらまだ国とか行政の援助っていうのが十分だという風には感じられません」「利便性の問題もありますので、今後やはりみんなが利用できやすいような仕組みづくりというのが求められると」「特性に合った支援やかかわり方をすれば、十分力を出せる子どもたちもたくさんおられますので、環境づくりというのもとても大事なことだと思います」

打ち合わせを重ねてきたあの場所に森川さんは先月、広島市内に4つ目となる新たな支援ルームをオープンさせました。

【森川代表】「またひとつ子どもたちを支援する場所が作れたことはとてもうれしいのと、その場所もいろんな機能を持たせたいなと思ってたんですが、それがまた一つ叶ったところが嬉しいです」

ここでは不登校などの子どもたちに通常の1時間より長く3時間のまとまった療育も行っています。仕切りのある部屋で個々の課題に沿った活動を行いしっかりと体も動かします。
人とのコミュニケーションに問題があるアスペルガー症候群の中川遥翔くん。
母親の麻貴さんは、施設のオープンを待ち望んでいました。

【利用者】「うちの子はおしゃべりがすごく上手なので、それだけおしゃべりできるのになんで?って言われることはすごく多くて」「居場所がないっていうのを抱えたまま育っていってたんですけど、ここに来て好きな人に会うとかお友達に会うっていうところで、すごくここに居場所を求めてるなっていうのはすごく感じますね」「地域でこういう場所が増えていくといいのになっていうのはすごく感じますね」

森川さんは支援ルームでの活動を通して子どもたちに切れ目のない支援をしていくことが必要だと感じています。

【森川代表】「(親は)子どもたちの自己肯定感というか、有能感、そういったものをしっかり促せるような、そういったものを養える場所っていうのを求めていらっしゃると思うんですね」「子どもたちのライフステージは確実に上がってきますので、切れ目なく同じものが提供できるような、福祉だけじゃない、医療も含めて、いろんな機関を作っていきたいと思って、ご家族もすべて含めてご支援できるような場所を作っていきたいなと思っています」

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