広島日豪協会

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報告:オーストラリア親善訪問ツアー

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協会創設37年にして初めての協会主催「親善訪問ツアー」を、12月4日から10日までの6泊7日の日程で実施しました。
 参加メンバーは16人。シドニーを起点に、まずは北へ750キロのリズモアへ空路で向かいました。リズモアはトニ・グリン神父の出身地で、神父が日豪間を奔走し和解を呼びかけた功績を記念する『ジャパンセンター』があります。ここでの歓迎式では、地元の小学生たちから「千羽鶴を、広島へ持ち帰ってほしい」と託され、遠く離れた日豪平和の原点からヒロシマに思いを寄せてくれていることに参加メンバー一同感激。この夜は、ジャパンセンター役員が自宅でバーベキューパーティーを開いて歓待してくださいました。

 翌日にはシドニーへ戻って、オペラハウスやハーバーブリッジを眺めながらディナークルーズを楽しみましたが、4日目以降は、バスで約1千キロの旅。
 まずは首都キャンベラまで4時間。ここでは日本大使館に草賀純男大使を表敬して、公邸で夕食をご馳走になりました。

翌日は2時間半をかけてカウラへ。1千人の日本兵が収容されていた収容所で1944年に脱走事件が起こり、日豪あわせて235人が犠牲者になりました。私たちは、日豪双方の墓に献花し黙とうしました。現地では、戦争が生んだ悲劇が市民によって語り継がれていることや、市民が自発的に日本人犠牲者の慰霊碑と墓地を清掃していると聞かされ、カウラ市民の献身さに頭の下がる思いでした。

 この日の宿泊地バサーストへはさらに2時間。ここにあるレース場は、マツダRX-7が12時間耐久レースで優勝を果たしたファン垂涎のコース。普段は一般生活道として供されていて私たちもバスで試走しましたが、急な下り坂+ヘアピンカーブをレースでは100キロ超で走り抜けると聞いて驚きました。

 そして現地最終6日目。シドニーへ戻る道中に世界遺産のブルーマウンテンの絶景、コアラと記念撮影。現地最後の夕食は、地上300メートル超から360度を見渡せるシドニータワーのレストランでした。

 オーストラリア国内の移動距離だけでも2千キロを超すハードな行程でしたが、ワインを酌み交わしながら交流したり、負の歴史の中の光明ともいえる温かいエピソードに触れるにつけ、平和の大切さを実感しました。疲れもまた、良き思い出のひとつに感じられる旅になりました。