2019.11.22(金)  もしもレールが敷けたなら

先日、兵庫県は姫路市へと行って参りました。
 

姫路と聞けばだれもが思い浮かべるのはこの光景ですよね。

世界遺産にも登録されている名城、姫路城。
JR姫路駅前からもきれいに臨むことができます。
 
このほかにも書写山(しょしゃざん)など、市内の名所は数あれど、
私が今回メインで訪れたのは、ちょっと不思議なこちらのスポットです。

 

???


 
・・・なんでしょうこれは。
 
JR姫路駅から徒歩数分。
市街地に突如として現れる謎のコンクリート製構築物。

故・赤瀬川源平さんの定義に基づけば「トマソン」の一種になるかもしれません。
しかも1本だけではなく、一定の距離を置いて何本も建っています。

 

実はこれ、かつて姫路を走った「モノレール」の橋脚なのです。
 
1966(昭和41)年、姫路市街から少し離れた手柄山(てがらやま)で開かれた「姫路大博覧会」。
 
その会場と姫路駅とを結ぶ2キロ弱の路線として造られましたが、
運賃が高額だったことなどが災いして利用客が伸び悩み、8年余りで運行休止となった幻の路線です。


 

手柄山公園内の施設には、
実際に走ったモノレールの車両や当時の資料などが展示されていて、
無料で見学することができます。

 

当時は、路線を延伸して鳥取などの日本海側主要都市と結ぶ計画もあったとのこと。

もしも姫路が、日本海側へ広く通ずる交通の大結節点になっていたとしたら、
どんな光景になっていただろうかと思いを馳せます。

 

壮大な夢のあとがいまだに残る姫路の街。

ただ、橋脚の老朽化が進み、撤去作業が進んでいます。

不思議な光景を目に焼き付けることができた、貴重な旅となりました。

 

(橋脚に加え、軌道桁が残っている場所も。ちなみに、手前の立派な高架は山陽新幹線のものです)